2019 Fiscal Year Research-status Report
脳波インタフェース構築のための随意性・不随意性眼球運動の脳波特徴量の特定
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18K11394
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
船瀬 新王 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60378239)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脳波 / 眼球運動 / 視覚刺激 / 聴覚刺激 / Go/NoGO課題 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者の最終目標は,眼球運動を脳波から予測することにある.従来研究にて単純に眼球運動を行う前の脳波変動を明らかにしたが,眼球運動にはすでに提示されている視覚指標に対して自分の明確な意図によって行う眼球運動(随意性眼球運動)と視覚指標の提示に反応して行う眼球運動(不随意性眼球運動)がある.よって,眼球運動を予測するためにはこの随意性眼球運動と不随意性眼球運動を脳波から分類する必要がある. そこで本申請においては,[1]随意性の眼球運動時の脳波を計測し,[2]随意性の眼球運動に着目しその脳波の性質を明らかにし,脳内情報処理機構の解明を行う予定となっていた. 本年度も,申請書中の「眼球運動の意図を明確化するために,従来の知見から後頭頂葉付近に眼球運動の意図を関連する脳波が発生することを確認する.」に 着目して研究を行った. これは,本年度の最初にさらに実験課題を追加するする必要がでてきたためである.本年度は記憶誘導性眼球運動課題を被験者に行わせ,Go-Cueが提示されたタイミングで運動を行う眼球運動課題時とGo-Cueが提示されたタイミングで運動を行わない非眼球運動課題時の後頭頂葉での脳波データを比較した.この時のGo-Cueを呈示する刺激が従来は聴覚刺激であったのものを本年度は視覚刺激に変更して行った.さらには指の運動でも同様の実験を行った. その結果,前年度明らかにした聴覚刺激をGO-Cueとした実験系で見られた運動の準備に関連する脳波変動と視覚刺激をGO-Cueとした実験系で見れた運動の準備に関連する脳波変動とでは性質が異なることが明らかになった.これは眼球運動実験時でも指運動時でも同様の傾向を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題は,「眼球運動の意図を明確化するために,従来研究の知見から後頭頂葉付近に眼球運動の意図を関連する脳波が発生することを確認する.」,「従来の研究で使用している指の運動においても位置に関連する脳波が発生するかを明らかにする.」,「発生した脳波を運動に関連する脳波と意図に関連する脳波を分離するために独立成分解析やテンソル積展開を使用して分離することを試みる.」の三段階のサブゴールをおいている.2年目において,「眼球運動の意図を明 確化するために,従来研究の知見から後頭頂葉付近に眼球運動の意図を関連する脳波が発生することを確認する.」と「従来の研究で使用している指の運動においても位置に関連する脳波が発生するかを明らかにする.」について明らかにすることができた.よって概ね順調に進展しているものと考える
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Strategy for Future Research Activity |
本課題は,「眼球運動の意図を明確化するために,従来研究の知見から後頭頂葉付近に眼球運動の意図を関連する脳波が発生することを確認する.」,「従来の研究で使用している指の運動においても位置に関連する脳波が発生するかを明らかにする.」,「発生した脳波を運動に関連する脳波と意図に関連する脳波を分離するために独立成分解析やテンソル積展開を使用して分離することを試みる.」の三段階のサブゴールをおいている.これまでに,「眼球運動の意図を明確化するために,従来研究の知見から後頭頂葉付近に眼球運動の意図を関連する脳波が発生することを確認する.」と「従来の研究で使用している指の運動においても位置に関連する脳波が発生するかを明らかにする.」について行った. そこで本年度は,「発生した脳波を運動に関連する脳波と意図に関連する脳波を分離するために独立成分解析やテンソル積展開を使用して分離することを試みる.」を行う.これまでの研究において使用してきたアルゴリズムの適用と今回の脳波に対して従来のアルゴリズムが適切に結果を出すことができるのかを早急に明らかにし,その上で,本年度の結果の意味の追求をさらに行っていく予定である.
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Causes of Carryover |
昨年度予定において本年度と合算で脳波計を買う予定であったが,別の予算にて脳波計を購入することとなったために本予算からは見送ることになった.しかしながら,本研究を薦めるに当たり数多くの打合せ等が及び物品が必要となったためにそちらの経費として充てた.
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