2023 Fiscal Year Annual Research Report
Toward application of EEG with earphone-type electrodes fitting in with everyday life
Project/Area Number |
18K11406
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
荒生 弘史 大正大学, 心理社会学部, 教授 (10334640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 裕俊 香川大学, 創造工学部, 准教授 (70453488)
諏訪園 秀吾 独立行政法人国立病院機構沖縄病院(臨床研究部), 神経内科, 脳・神経・筋疾患研究センター長 (50345518)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳波 / イヤホン型電極 / 外耳道 / 事象関連電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中枢系の生体情報として高い潜在力を持つ脳波を、日常での着用に違和感のないイヤホン型電極により計測する技術を開発するものである。最終年度となった2023年度は、研究期間を通じて実施してきた外耳道における脳波・事象関連電位の計測について、世界的な潮流もあらためて振り返りつつ、本研究課題の総合的な成果を取りまとめた。その内容は実証研究を取りまとめた論文として、European Journal of Neuroscience誌に掲載された。この論文では、外耳道電極や耳近傍での脳波計測についての動向についてレビューしつつ、頭皮上正中線付近でもっとも効率よく計測できるアルファ波等の基礎律動やP3をはじめとする事象関連電位については、他研究や本プロジェクト内での計測においても側頭部および外耳道での記録は概して低振幅であるものの計測可能性はあることをまず背景として述べた。さらに、側頭部でより顕著に計測される特定の事象関連電位については耳朶や外耳道でも明瞭に記録されることをより詳細に報告した。脳波計測については、従来の耳朶基準では、外耳道、耳朶、側頭部いずれの部位においても、理論的にも経験的にも概して低振幅にとどまる。その打開策のひとつとして頭部外基準電極を用いる方法がある。その点についても現代的意義をあらためて振り返りつつ詳述した。電極数を限定して計測する場合の事例として、頭部外基準電極を用いた耳朶における脳波計測の事例についても関連国内学会において報告した。単一の頭部外基準電極を用いることと独立成分分析を組みあわせて分析する手法もあらたに提案するとともに、従来の知見の確認とあわせて耳朶には比較的アーチファクトが混入しにくいことなどについても報告した。
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Remarks |
他に、医学、工学、心理学、脳波計開発企業をバックグランドに持つ当科研構成員を中心に、第32~37回 医工心「脳波」研究会(2023年4、6、8、10、12月、2024年2月、いずれもオンライン、一部対面)を開催し、当研究の展開に資する話題提供とディスカッションを実施した。
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Research Products
(2 results)