2020 Fiscal Year Research-status Report
生体影響計測と個人差を考慮した非線形数理モデルの構築によるAR酔い原因の特定
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18K11417
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Research Institution | Gifu City Women's College |
Principal Investigator |
松浦 康之 岐阜市立女子短期大学, その他部局等, 講師 (30551212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 宗樹 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (40398855)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 立体映像 / 拡張現実 / 仮想現実 / 衛生学 / 自律神経 / 重心動揺 / 人工知能 / ニューラルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、映像酔いの数理モデル構築を目的としている。これまでに、立体映像視聴時に関わる実験および、その評価によって、知見を得ている。今年度は、これらの知見を踏まえ、立体映像視聴時の数理モデルの構築について検討を行った。数理モデルの構築には、人工知能を利用し、GAN(Generative Adversarial Network)および、Autoencoderを用いて、数理モデルの検討を行った。このうち、GANでは、立体映像視聴時の重心動揺の数理モデルを検討した。立体映像視聴時の若年者および高齢者の重心動揺を測定した。1)高齢者のみの重心動揺および、2)若年者および高齢者の重心動揺のパターン比較について、検討を行った。1), 2)それぞれにおいて、GANを用いて機械学習を行った結果、1)では、高齢者の重心動揺に関する数理モデルについて構築することが可能となった。2)では、立体映像視聴時の動揺パターンについて、高齢者と若年者で異なることが分かった。これらの結果から、今後の見通しを立てることができた。次に、Autoencoderでは、食事負荷前後の胃電図を用いて、数理モデルの検討を行った。これは、映像酔いによる胃腸活動の不快感に関する基礎的検討である。若年者の食事負荷前後の胃電図を測定し、Autoencoderを用いた機械学習を行った結果、食事負荷前後の胃電図の分類が可能となった。これは、既存手法であるスペクトル解析による評価よりも精度が高いものであった。また、この結果は映像酔いに応用可能なだけでなく、広範な応用が可能となるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、若年者や高齢者の重心動揺や若年者の胃電図から数理モデルの構築を行うなど、順調に進展している。また、使用する手法もGANやAutoencoderを利用するなど、多面的に検討を行っている。今回構築した数理モデルをさらに検討することで、研究をより発展できる可能性が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
映像視認時の重心動揺で、非酔いと酔いのパターンをGANを用いて学習させた結果、重心動揺を学習したGANによって酔いの特徴抽出を行うことができた。今後、他の数理解析結果との対比や、数理学的な意味づけについて行っていく。また、加齢に伴う視覚機能の低下による動揺パターンの異常を評価するための検討を行う。
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Causes of Carryover |
本年度に予定されていた出張や実験の一部が新型コロナウイルスの影響によって中止になったため、使用額の変更が生じた。また、次年度も当面新型コロナウイルスによる影響があると考えられるが、今後の実験に必要な機器などを揃える予定である。
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Research Products
(4 results)