2019 Fiscal Year Research-status Report
オントロジーと機械学習及びコホート調査情報を用いたフレーム問題へ取り込み
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18K11420
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高井 貴子 (五十嵐貴子) 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 非常勤講師 (60222840)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オントロジー / 臨床情報の研究利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲノム疾患研究領域におけるオントロジーを真に活用するためには有用なインスタンスを生成できるか、という問題解決が必要である。この問題解決のため、open-worldを前提とするaxiomベースのオントロジーに、closed-worldにおけるドメイン特異的な知識を表現するフレーム理論を組み合わせた方式を試みる。 令和元年度は平成30年度に引き続き、形式化の対象世界の調査と論点の洗い出しを行った。平成30年度は疾患ゲノム研究を対象としたが、令和元年度は臨床情報を対象とした調査を行った。臨床情報のA)語彙集合、B)知識獲得方式、C)データ共有方式を調査対象とした。A)語彙集合については、WHOが定義する疾患概念として世界的に利用されているICDが30年ぶりに改訂され、表現力が大幅に向上している。特に疾患ゲノム研究に必要とされる表現型/オミックスに係る表現力が格段に向上した。この結果、電子カルテから生成される臨床情報の研究利用が加速され、特に疾患ゲノム研究と深い関係をもつHuman Phenotype Ontologyとの互換性については今後の展開について注視が必要である。B)知識獲得方式については、Vanderbilt大学で開発され全世界的に利用されているRedCapが、疾患ゲノム研究で利用される臨床知識の獲得においても頻用されるようになっている。RedCapベースの臨床知識獲得の標準化も英国と豪州を中心に進んでいる。C)データ共有方式については、臨床情報の交換を目的とする標準形式(PhenoPackets)の開発が進んでいる。 これらの臨床情報の研究利用においては、プライバシーの保護が要求される。我が国における「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」の見直しについても調査し、臨床情報の標準化との整合性を考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東北メディカル・メガバンク事業で収取した健康情報の研究利用、およびDeep Learningの計算には、東北メディカル・メガバンク機構のスーパーコンピュータを利用する必要があるが、この利用が可能な遠隔セキュリティルームが近隣になく、利用が困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
東北メディカル・メガバンク事業で収取した健康情報の研究利用、およびDeep Learningの計算を実施する拠点となる遠隔セキュリティルームは、令和2年度には近隣に開設されることになったため、これを利用して、東北メディカル・メガバンク事業で収取した健康情報のDeep Learningによる計算処理を鋭意進め、進捗の遅れを取り戻す。
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Causes of Carryover |
2020年3月にドイツで開催されるGenomics in Health Implementation Forum 2020に参加を予定していたが、COVID-19の影響でWEB開催に変更となったため。 本会議は2020年10月に豪州にて集会型で実施される予定である。本予算はこちらの参加旅費として令和2年度に使用する予定としている。
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Research Products
(10 results)