2020 Fiscal Year Research-status Report
Prediction from motion by machine learning using geometric algebra
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18K11477
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
橘 完太 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 准教授 (20402539)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 機械学習 / クリフォード代数 / ロボットヨット / 実機制御 / 無人帆走 |
Outline of Annual Research Achievements |
クリフォード代数化した機械学習の応用先として、自身の状態:位置3次元姿勢3次元とその時間変化;や、動力などの内部環境、外力など外部環境を認識し、判断し、操作する自動運転技術が大きい。帆船は、密なエネルギーである動力を持たず風・波など疎なエネルギーを動力に変換するため、一般の自動運転よりも自身の状態の認識と予測が難しく、自動帆走はクリフォード代数の導入によって状態認識や予測における機械学習の高性能化が期待できる面白い課題である。 令和2年度は、当初、クリフォード代数上の機械学習を引っ提げて、World Robotic Sailing Championship優勝を目指したが、早々にWRSC中止が決定したため、優勝と同等の帆走性能を実験で示しYouTube発信することを目指した。排水量5リットルの小型モデルヨットにGPSと9軸センサ、風向風速センサを搭載し、コースの巡回や障害物回避の実機実験を行った。 千葉県我孫子市の手賀沼にて行った水上実験の映像はYouTubeの再生リスト https://www.youtube.com/watch?v=MjcMttgx84I&list=PLPiQ8tB0Q231VadjAlaJ-Jyj6Sqj9CaXh に公開中である。 第17回コンピューテーショナル・インテリジェンス研究会にて以下の4件を論文およびオンライン発表した。ファジィ推論を用いた帆走ロボットの障害物回避実験/帆と舵の並列ファジィ推論/帆船ロール角の逐次データ同化/深層強化学習を用いた帆船の自動運転/ 本来は4件の発表時の画面録画をYouTube発信予定だったが操作を誤って録画できなかったため、発表の再現映像をYouTube発信した。 また、指導学生の一人は、日本ロボット学会優秀学生賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究メンバーとなる学生に入構制限が一時かかるなどしたが、感染防止策を徹底した上で研究指導、実験準備、水上実験を実施し、誰も生命や健康を損なうことなく上述の研究発表に漕ぎつけた。 障害物との相対速度も考慮する動的危険度を帆船実機に搭載して令和2年12月11日に水上実験した。実験データから障害物検出時の動作を分析し「ファジィ推論を用いた帆走ロボットの障害物回避実験」と題して発表した。(https://youtu.be/bB9pknk8ah0) 我々のチームでは従来直列に観測・制御していた帆と舵を並列化して令和2年12月27日に実験した。並列化によって疎な風エネルギーから船の運動エネルギーへの変換効率を高められるかを実験データから検証し「帆と舵の並列ファジィ推論」と題して発表した。(https://youtu.be/tcrwxbnpS-o) 実験時に搭載した9軸センサのデータは上記手法では帆の制御が必要なときのみ観測し記録することとした。ロール角速度と加速度ベクトルの非同期のデータを帆船のロール運動方程式に当てはめてロール慣性モーメントなど未知定数を同定し「帆船ロール角の逐次データ同化」と題して発表した。(https://youtu.be/2I8GrzCQcJA) 自動帆走のふるまいを機械学習で獲得するとき実機実験データのみでは圧倒的に教師データ不足となる。100年分の実機実装データに相当するような大規模なデータを1時間ぐらいで機械学習するにはシミュレーション構築が必要である。水平面内の運動のみを考慮した帆船シミュレーションを構築して深層強化学習を行い「深層強化学習を用いた帆船の自動運転」と題して発表した。(https://youtu.be/mMp2tKFM_ho)
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、異種のセンサを搭載し水上の実機で実験できた。今後は、各センサの幾何的な意味を汲んで機械学習する自律帆船を実現していく。サンプリング周波数や幾何的な意味が相異なる複数種類の観測信号から、クリフォード代数を適切に用いて状態空間を表現し、状態空間と行動空間の写像を機械学習する効果を実証する。 自動運転における状態推定の部分では、姿勢や姿勢の変化を、クリフォード代数の一つである四元数で表現して、種々の観測信号との整合性によって推定する手法を導入していく。また、状態に応じた操作を判断する部分でも、クリフォード代数に基づいた機械学習を研究していく。 実機実験を彩湖や手賀沼で実施する。 研究推進の手法として、YouTube発信を強化する予定である。実験映像の全世界即時公開・映像の記録・研究メンバーとの情報共有・新たな仲間へのリーチなどが期待される。研究の成果としてのプレゼンテーションや論文だけでなく、その過程のアイデアや失敗記録を物語として発信していく。Autonomous X Vehicleについてのビジョンを活発に交流するActive eXchange of Visionことが可能な仲間を増やしていく。
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Research Products
(6 results)