2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K11490
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田村 雄介 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (40515798)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 歩行者モデル / Bi-directional RNN / 軌道予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
人間と共存するロボットや一般道を走行する自動車が安全かつ効率的に移動するためには、歩行者をはじめとする周辺他者の挙動を予測し、それに応じた動作をすることが必要不可欠である。人間の挙動は、周囲の障害物や他者に影響を受けるが、この影響の受け方は、人間の注意に大きく依存すると考えられる。本研究では、周辺他者のうち特に歩行者に着目し、その視覚的注意を考慮した歩行者モデルの構築を目的としている。
平成30年度は、周囲の他者からの影響を考慮するべく、歩行者間の軌道の相互作用を学習可能なデータ駆動型の歩行者モデルを構築した。提案手法では、時系列データの学習に適したモデルであるRecurrent Neural Network(RNN)を双方向に拡張したBi-directional RNN(BiRNN)およびAttention Mechanismを用いて、周囲の歩行者軌道と対象歩行者の軌道の関係をモデル化した。これにより、周囲の各歩行者の軌道が対象歩行者の軌道に与える影響の大きさを考慮した予測が可能になった。 提案手法の有用性を検証するため、複数の公開データセットを用いて従来研究と予測精度についての比較を行った。その結果、従来手法に比べて精度良く歩行者の軌道予測を行うことが可能であることが示された。
ここで用いたデータセットは高所に設置されたカメラによる三人称視点の歩行軌道データである。一方、実際にロボット等に適用する際は、ロボット等に搭載されたセンサによる一人称視点のデータをもとに予測を行う必要がある。これについての基礎的な検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次年度以降の一人称視点での計測に向けた手法・計測システムの基盤が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の予備計測によって、歩行者の中でも特に、スマートフォン等を見ながら歩いている人物の軌道が特徴的であることがわかってきた。そこで平成31年度は画像処理技術を用いて歩きスマホの検出を行う予定である。これにあたっては、鉄道駅構内等、多数の歩行者が存在する状況での計測を行い、データセットを構築する。
また、移動ロボットに計測システムを搭載し、移動中の計測についても取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
平成30年度は予測手法の開発と公開データセットを用いた評価に注力したため、当初平成30年度に購入予定であったセンサ等の機器を購入する必要がなかったため。
平成30年度の結果を踏まえて、移動ロボットの購入、およびそれに搭載するためのセンサ等機器および消耗品などへの使用を計画している。また、研究成果の学会発表・論文投稿の費用についても予定している。
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