2018 Fiscal Year Research-status Report
Bio-Emotion Estimation by Biological Signal and Russell Model Applying for Robot Service
Project/Area Number |
18K11505
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
島崎 みどり (菅谷みどり) 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50434288)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大倉 典子 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (00317364)
岡田 佳子 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (90367011)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 生体信号 / 生体解析 / 感情推定 / Biometrics / Biosignals / Emotion estimation / 感情を理解するロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は,生体信号を用いた感情推定手法を応用した研究に数多く挑戦した.感情を考慮する声がけロボットの提案は学会等で高く評価され,研究会で2件受賞した.本提案はリハビリ実施者の歩行時に誘導型のロボットが実施者の脳波・心拍の値から,感情をリアルタイムに推定し,その感情に応じた声がけをするものである.また,介護ロボットの恐怖感を評価した研究 (Affect Evaluation of Biological Information Approached by a Nursing/care Robot)は,国際学会にてBest Paper Award を受賞した.本研究は,先行研究で結果が出た加速減速型と直進型を本提案手法による評価で比較したもので,従来わかりづらかった人のロボットへのリアルタイムに変化する感情をセンサ値で評価したことが評価された.その他,ロボットが位置調整を行うパーソナルスペースを考慮したロボット, EQ(Emotional Quotient) による主観結果のフィルタリング手法の提案,レコメンドシステム,運転システムへの応用,仮想化エージェントへの応用など,本研究に関する数多くの提案を行なった.その結果,国内学会21件,国際学会9本(うち受賞4件)の成果があった.JST科研費NEWSに掲載された.3月には, IEEEの国際学会付属のWorkshop にて基調講演者としてEmotion Aware Robot by Emotion Estimation using Biological Sensorsの講演を行なった.講演を機としドイツのKassel 大学との共同研究を開始した,生体計測による感情推定技術の共同調査を開始した.また,特許の出願などの成果,共同研究も複数件実施し,より具体的な要件を元にした応用研究などを推進することができた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本手法は,簡易脳波計と心拍のRRIを取得する脈拍の二つの値を,ラッセルの二次元座標に対応づけ感情分類を行い,成果を得て来た.当初より応用を目的とし,心拍値はリアルタイム性が高い時間領域解析のRR間隔変動の差異を解析するPNN50を利用してきた.しかし,基礎研究,心拍変動性スペクトル解析(LF/HF)の解析方法との比較優位十分明らかになっていないことから,2018年度は基礎的な調査を行い,2019年度で実施する実験システムの設計開発を進めた.また,生体指標の解析を中心とした評価に加えて,心理学,Affective Computing,実際のロボットで実現するためのロボット工学や,リアルタイムにデータを解析するための情報基盤技術などの基礎的な調査や研究開発も並行して行い,情報基盤技術については,複数台からリアルタイムに生体情報を取得するための基礎となるシステム開発を行なった. 生体計測手法を用いた感情分析については,一般的には信号処理,特徴抽出,特徴分類の3つの手順が必要である.2018年度は特徴分類について,指標の組み合わせの見直し(生体情報を用いた感情推定手法の検討)を行い,比較を行った.LF/HFでは精度は高いと考えられる一方,リアルタイム性が低下することから,PNNxの指標と並行して実行することなどを検討した.ただし.これらの指標の値を実際に分析する場合には,プログラムが非同期で並行実行することが必要であるため,スレッド実装などシステム開発課題なども同時に挑戦し新しいプラットフォーム開発を行い,研究として総合的な進捗があった.また,応用分野としてロボットがメインであるが,それ以外に,うつ病などの軽度精神支援や,運転時の感情解析, ヒューマンエラー時の内部解析など,新たな要求に合わせた解析結果なども研究として推進し,特許成果につながった.
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度は(1) 基礎的な分析/指標の確立,(2) 国際化, (3) プラットフォームの開発, (4) 応用分野の開拓と実用化の推進を進める.(1) 基礎的な分析では,脳波分析では多チャンネル脳波計の利用,心拍分析では,心拍変動のスペクトラム解析と時間領域解析の複数結果を比較し検証を行う.また,分類においては機械学習, Deep Learning を取り入れ,より信頼性の高い研究を目指す.生体計測の専門家を研究室の顧問に招く他,脳波計測機器の開発企業,心拍計測機器の開発企業と共同研究を推進し,信頼性の高い解析・評価方法の確立をすすめる.(2) Kassel大学のKlus 教授と共同で生体計測による感情分析論文を執筆する.ロボットの国際会議で著名な IEEE IROSで開催されるAffect Modeling, Evaluation, and Challenges in Intelligent Cars Workshop でのInvited Speaker として講演予定があることから,国際的なコミュニティのメンバに参画し活動できるようにする.(3)ロボットや応用プラットフォームの開発を推進する.センサ情報解析では周波数領域と時間領域の解析では並列処理実行基盤技術が必要となり,また,それらをサーバに集めて,集計して統計的な解析や学習器の適用をリアルタイムに行う技術開発を行うためのシステム基盤を開発する.また,個人差の検証や環境情報との連携などを目的に複数人の感情を同時に解析する基盤技術を確立する. (4) 2018年度に特許出願を行い,また,2019年度には JST新技術説明会等での発表を予定している.さらに,企業との共同研究なども積極的にすすめる中で,具体的な応用を想定したアプリケーションの開発を予定する.
|
Causes of Carryover |
予定していた学会に参加をキャンセルする学生がいたためにこのような結果になりました,申し訳ございません.
|