2018 Fiscal Year Research-status Report
A design of hierarchical modeling method of "KANSEI" on a product and an event
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18K11510
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
荻野 晃大 京都産業大学, 情報理工学部, 准教授 (40407870)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 感性工学 / 感性情報学 / 感性モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,モノ(例:製品)やコト(例:旅行)に関して人々の抱く感性の過程を数理的にモデル化し,モノとコトに関する感性をコンピュータ上でシミュレーション可能とする仕組み(=人工感性)を開発することである. 本研究では,モノやコトに対して人の抱く感性は,多くの人に共通する判断過程,個人に属する判断過程,個人の置かれている状況に基づく判断過程の3つの過程を経て判断していると仮定する.その上で,本年度は各階層において,モノやコトに対する人の生理・心理・行動情報と感性的判断に関連する情報(感性情報)の関係を規定し,それに基づくデータ収集と,そのためのシステム構築を行った.具体的には,行動・生理情報に関係する感性情報として,脈拍値に注目した.Apple社のApple Watchを用いて,行動時の3名の脈拍値をそれぞれ計測し,その情報をHTTP経由でサーバーに送信し,彼らの脈拍値が同期している箇所を分析して,彼らの状態を推定する仕組みを開発した.また,心理情報として,ポジティブ情動を計測するPANAS(The Positive and Negative Afect Schedule)を利用して,個人の気分の変化を計測した.この行動・生理情報と心理情報と比較した結果,複数人の脈拍値の同期の有無が,人の気分がポジティブな状態であるかどうか関係している可能性が示唆された.またこれらの情報を用いて,プロトタイプとしてナイーブベイズを用いた数理的なモデル化も実施し,感性を予測する仕組みの構築を行なった. 今年度の成果をまとめ,第14回日本感性工学会春季大会および,the International Symposium on Affective Science and Engineering 2019にて発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現段階では,多くの人に共通する判断過程,個人に属する判断過程,個人の置かれている状況に関する情報を収集する仕組みのプロトタイプを作成できている.しかしながら,それら情報の関係性を規定する点においては,不十分(推定精度が低い)が多く,改良の余地がある.具体的には,多くの人に共通する判断過程,個人に属する判断過程に関係する感性情報の棲み分けが不明確であるため,その点に関して,平成31年度において積極的に進めていく予定である. また,感性のモデル化に関しては,プロトタイプ的にナイーブベイズを利用したが,トピックモデルによるモデル化が有効である可能性があるので,その適応を行なっていく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、平成30年度に取り組んだ,多くの人に共通する判断過程,個人に属する判断過程,個人の置かれている状況に関する情報を収集する仕組みの改良を行なっていく.具体的には,多くの人に共通する判断過程,個人に属する判断過程に関係する感性情報を再度,定義し直し,それら情報を適切に収集できるようにプロトタイプを改良する.また,モノやコトに対する感性(気分)は,一位に決まるものではなく,複数の印象や気分を併せ持つものであると考えられる.そのため収集したデータに対して平成31年度は,LDA(Latent Dirichelet Allocation)を適用し,モノやコトに対する複数の感性を推定できる仕組みを考案し,感性の推定精度の向上を目指す.
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Causes of Carryover |
平成30年度に数値計算するために必要な機器(GPU機器)を購入する予定であったが,その発売が延期されたためと,論文作成における推敲に時間を有したため英文校閲および投稿料に関して,平成31年度への繰越額が生じた. 平成31年度は,その購入と英文校閲および学会誌への投稿料に使用する予定である.
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Research Products
(5 results)