2021 Fiscal Year Research-status Report
A design of hierarchical modeling method of "KANSEI" on a product and an event
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18K11510
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
荻野 晃大 京都産業大学, 情報理工学部, 准教授 (40407870)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 感性情報学 / 感性モデリング / 感性情報処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,モノやコトに関して人々の抱く感性の過程をモデル化し,モノとコトに関する感性をコンピュータ上でシミュ レーション可能とする仕組みを 開発することである. 本年度は,モノの例として音楽を題材として,音楽から楽曲特徴量(28種類)を抽出し,それら特徴と各個人の音楽に対する印象(5種類)との対応関係をそれぞれ統計的手法によりモデル化した.このモデルを用いて,各個人の印象が未知なる楽曲に対して抱く5種類の印象の確率を推定した.そして,その中で最も確率の高いものを主印象,次に確率の高い印象を次印象として,この印象を用いて各個人の気分をポジティブ(気分を盛り上げる,気分を落ち着かせる)にするプレイリストを設計した.具体的には,プレイリストは,音楽療法の同質の原理に基づいて,楽曲に対する個人ごとの主印象が段階的に変化するとともに,次印象も段階的に高くなるように設計し,楽曲の印象が徐々に変化するように設計した.これにより,違和感なく印象を変化させることで気分変化を演出するとともに,各個人は聞いたことがないかもしれないが各個人の印象に適した楽曲に出会えることもできる. 個人化したプレイリストによる気分変化の効力を評価するために,ランダムに楽曲を選択して作成したプレイリスト,複数人に共通する印象を利用して作成したプレイリスト,個人化したプレイリストによる比較評価を行った.各プレイリストを聞く前後に,心理尺度である多面的感情状態尺度を用いて,各個人の印象を計測し,その前後の変化を統計的仮説検定により比較した結果,個人化したプレイリストは,他の2つのプレイリストと比較して,各個人の気分をポジティブ(気分を盛り上げる,気分を落ち着かせる)に変化させることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により,実地実験や被験者実験を行うことができなかった時期が続いたが,感染症対策を施し,音楽を対象とした感性のモデル化とその応用としての気分変化を支援するプレイリストの評価実験を進めることができた. 本年度は,音楽を対象とした感性のモデル化とその応用の研究成果を論文としてまとめ,国際論文誌に投稿する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は3年計画であったが,コロナの影響により,実験等の変更の必要に迫られたため,当初の期間内に成果を論文にまとめることができなかった.今年度が最終年度となるため,これまでの研究成果をまとめ,国際論文誌に投稿することを目的とする.
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Causes of Carryover |
コロナ禍のために実験が計画通りに行えなかったため研究が遅れていたが,感染症対策を施して実験をおなうことができた.しかし,成果をまとめることまではできなかった. 次年度は,今までの成果をまとめで論文誌に投稿するために助成金を利用する.
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Research Products
(1 results)