• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2018 Fiscal Year Research-status Report

日本の伝統工芸と工業製品を融合するために漆黒を基準として黒色の品質感を数値化する

Research Project

Project/Area Number 18K11513
Research InstitutionKisarazu National College of Technology

Principal Investigator

小田 功  木更津工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (80321404)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 吉澤 陽介  木更津工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (30600415)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords透明感 / 濁度 / 半透明体 / 縞パターン / 光散乱
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は,黒色の品質感を数値化することである.これまでの研究成果から研究代表者らは,黒色の品質感をもたらす主要因は,「物体内部からの散乱光の色合い」と「物体内部における深さ方向に対する散乱度合い」と考えている.2018年度は後者を検証するために,研究代表者らが過去に提案した技術を応用して,「物体内部における深さ方向に対する散乱度合い」を定量化する技術を開発することを目標にした.
半透明物体の内部散乱光を検出する技術に濁度測定がある.従来までの濁度測定の方法では,「厚みが厚くて散乱体が低密度の物体」と「厚みが薄くて散乱体が高密度の物体」とを比較すると,内部散乱光の強度は物体の厚みの影響を受けてしまうため,内部散乱光の強度が等しくなることもあり得る.このため従来までの濁度測定の方法を適用しようとしても,「物体内部における深さ方向に対する散乱度合い」を定量化することはできない.そこで研究代表者らは,半透明物体に縞パターンを投影し,縞パターンの照射部と遮光部における明度の差から,半透明体の濁り感を数値化する技術を開発した.
黒色の物体からの内部散乱光の強度は微弱であり,今の段階では黒色物体の濁り感を数値化することは困難だと考え,2018年度は開発した技術の原理を検証することにした.そこで半透明物体として,ポリプロピレンに乳白色顔料を加えた物を使用した.この顔料濃度と物体の厚みを変えることで複数の測定サンプルを作製し,厚みの影響を受けずに濁り感が数値化できるか検証することにした.検証した結果,研究代表者らが開発した技術は,物体の厚みの影響を受けずに濁り感を数値化できることが明らかとなった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

半透明体の濁り感を数値化できるという新規性がある技術を開発したが,乳白色の物体のみにしか検証しておらず,黒色物体への適用までには至らなかったため.

Strategy for Future Research Activity

研究代表者らは,黒色物体表面からの散乱光よりも内部からの散乱光が,より見た目の品質感に影響をおよぼしていると考えている.その仮定が正しければ,厚く透明度の高い塗膜と薄く透明度の低い塗膜とでは,光の透過率が同じであっても,見た目の品質感に差が生じている可能性がある.厚く透明度の高い塗膜の方が内部からの散乱光が強いからである.2018年度に開発した技術を応用し,黒色の半透明物体を測定サンプルとして用いて,この仮定の正否を検証する予定である.
このために,塗膜の厚さと濃度,および塗料の種類をパラメータとして変化させた試料を複数,作製する予定である.具体的には,黒色合成樹脂塗料を塗布した試料と黒色漆を塗布した試料を塗膜厚さと濃度を変え,各塗料において10種類程度,作製したいと考えている.また塗膜内部からの散乱光の強度やスペクトルの体系的なデータを得るために,散乱体の深さ方向の分布を変化させた測定試料も複数,作製する予定である.これらの試料を標準光源ブースの中で観察し,品質感を官能評価する.さらに光線追跡ソフトウェアを用いて,媒質内部で散乱して外部に再び出ていく光線の経路をシミュレーションする.このシミュレーション結果と品質感の視感評価を比較し,黒色の品質感が感じられるメカニズムを解明する予定である.

Causes of Carryover

2018年度は,半透明体の濁り感を数値化するための実験装置を開発したが,既存の実験装置を活用したことにより,既受領額累計額よりも支出額累計額の方が少なくて済んだ.2019年度は当初の予定通りに研究を進めるため,研究計画調書の2018年度と2019年度に購入予定であった物品を購入する予定である.

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 縞パターンの投影による半透明体の濁り感の測定2018

    • Author(s)
      小田功,新田航平,吉田大輔
    • Journal Title

      精密工学会誌

      Volume: 84 Pages: 806-812

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2019-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi