2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K11515
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
横井 功 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 助教 (50592747)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 素材知覚 / 実物体 / 視覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の生活環境には様々な素材(金属、ガラス等)によって作られた物体が存在する。ある物体を操作するとき、物体がどのような素材によって構成されているのかを知ること(素材知覚)は有用な知覚・認知機能である。研究代表者らはこれまでに腹側高次視覚野がさまざまな素材を区別していること、腹側高次視覚野の神経表現は素材の視触覚経験によって変化することを明らかにしてきた。これらの結果は腹側高次視覚野が素材知覚に深く関与していることを示唆する。本研究は様々な素材の実物体を把持するときに腹側高次視覚野がどのように活動しているのかを明らかにすることを目指している。2020年度は電気生理実験を行い、注視課題遂行中のニホンザルに様々な素材の画像を視覚刺激として呈示し、電気生理学的手法を用いて下側頭皮質ニューロンの視覚応答を記録した。神経活動の刺激選択性と素材カテゴリ選択性の強さ、および記録部位との関係性について解析した。MRI(磁気共鳴画像法)を用いて電気生理実験での記録部位を確認し、fMRI(機能的磁気共鳴画像法)においてこれまでに明らかにされた素材知覚関連領域との位置関係を計測した。また、電気生理実験によって測定した素材の神経表現と、fMRIによる神経表現またはヒトの素材印象評価との相関について解析を行った。これらの実験により素材の把持運動における腹側高次視覚野の役割を明らかにするうえで有用な実験データが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
素材知覚の神経機構に関する新しい知見が得られているが、計画していた把持運動課題遂行中の生理実験を開始することができていないため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
把持運動課題遂行中の生理実験とこれまでに記録した実験データの詳細な解析を進め、様々な素材の把持運動における腹側高次視覚野の関与を明らかにすることを目指す。また、これまでの研究成果をまとめ学術雑誌に投稿し受理を目指す。
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Causes of Carryover |
2020年度は実験データの解析を優先して行い、生理実験の開始時期が遅れた。そのため次年度使用額が生じた。未使用額は研究計画を進める上で必要な機材の購入と論文投稿費用にあてる。
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