2018 Fiscal Year Research-status Report
Computational model of face network in inferotemporal cortex based on mixture of sparse coding models
Project/Area Number |
18K11517
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Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
細谷 晴夫 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 主任研究員 (50335296)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高次視覚野 / 機械学習 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、深層学習などの学習理論を用いたアプローチにより、神経生理学の実験事実と合致するような、顔ネットワークのモデルを構築することを目的とする。今年度は、これまでに開発した混合スパース符号化モデルの経験を活かし、深層生成学習という理論的枠組みを用いて、顔ネットワークモデルの構築を試みた。深層生成学習は、従来型の深層学習のように入力(画像など)のクラス判別性能を最適化するものではなく、入力の生成能力を最適化する学習理論であり、スパース符号化モデルの拡張にもなっている一般に 、深層生成学習を効率よく実行するのは難しいとされているが、Variational Autoencoder 法が効率性・安定性共に良好であるため、まずはこれを用いることにした。これを、3次元頭部モデルから生成された、3次元の顔画像セットを用意し、これを上記の深層生成学習モデルに適用した。こうして得られた結果を顔ネットワークのうちのML領域に関する実験の再現を試みた。その結果をFreiwaldらの「顔パーツの配置」に関する生理実験(2009)をシミュレートしたところ、定性的・定量的に実験事実を再現できた。さらに、Ohayonらの「顔パーツ間のコントラスト」に関する実験(2012)のシミュレーションシステムを開発した。これを用いて、上記のモデルの上でシミュレートしてみたが、実験事実は定性的な類似点があったものの、定量的には実験事実と乖離があり、再現されたとは言えず、これについては課題が残るという結果になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、モデル構築と、生理実験の再現という2つの項目からなるが、両者ともに計画に大凡沿った形で進められ、概ね期待された結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、顔ネットワークモデルを完成させる方向で、引き続き研究を進める。特に、顔ネットワークのAM領域に関する性質を再現することを目指し、恒常性を持つような層を学習できるモデルを開発していく。その上で、AM領域に関してFreiwaldとTsaoによる「顔のアイデンティティの選択性」に関する実験(2010)、および、ChangとTsaoによる「顔画像のPCA空間」に関する実験(2017)のシミュレーションを行い、再現性を評価していく。また今年度に再現できなかったOhayonらの実験が再現可能にするようにモデルを改良を試みる。
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