2019 Fiscal Year Research-status Report
シュードノット構造を考慮したRNA二次構造分布ダイナミクスのシミュレーション
Project/Area Number |
18K11519
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
種田 晃人 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (70332492)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エネルギーバリアー予測 / シュードノット構造 / RNA折り畳み経路予測 / ヒューリスティクス / RNA二次構造 / 群知能 / アントコロニー最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ACOに基づくRNA折り畳み経路予測アルゴリズムをシュードノットへ対応させるため、ACOから呼び出されるRNA二次構造の自由エネルギー予測法を、Vienna RNA パッケージのシュードノットに対応していないものから、シュードノット対応の予測法HotKnotsで利用されている自由エネルギー評価関数を利用するよう変更を行った。HotKntosで利用している自由エネルギー予測法が対応できないタイプのシュードノット構造を避けるために、指定したタイプ(H型、K型)のシュードノットを含む二次構造のみを生成するアルゴリズムの実装を行った。50塩基程度~400塩基程度の配列長のRNA配列に対して動作テストを行い、エネルギーバリアー値を予測することができた。シュードノットを含まない開始二次構造と終止二次構造を入力とした場合でもシュードノット構造を含む折り畳み経路が予測されたケースもあったことから、シュードノット構造を考慮することでシュードノット構造を考慮しない折り畳み経路予測を行った場合よりもより低いエネルギーバリア―値を持つ経路が予測される可能性が示唆された。また、シュードノット構造を考慮しない場合について、二次構造ダイナミクスシミュレーションを行った。シミュレーションに必要となる局所最適構造間のエネルギーバリア―値は、2つの局所最適構造間のエネルギーバリアー予測を総当たりで行うことで求めた。局所最適構造の列挙は、RNASLOptにより行った。 ACOアルゴリズムの詳細とそのベンチマークテストなどの研究成果をComp. Biol. Chem.誌に英語論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シュードノット構造を考慮したエネルギーバリア―予測アルゴリズムの開発に成功し、論文発表を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのエネルギーバリアー予測法の開発で得られた知見や手法を元に、RNA二次構造のダイナミクスシミュレーションを行う。具体的には、「マスター方程式に基づくシュードノットを考慮した二次構造分布のダイナミクスシミュレーション」の実行ならびに結果の解析を行う。シュードノットを含まない場合については、ACOに基づく方法と従来手法(Vienna RNAパッケージのFindPath)との比較は既に行っており、その結果はH31年度に発表した論文に記載済みである。シュードノットを考慮した二次構造分布のダイナミクスシミュレーションでは計算量の増大が予想されるため、必要に応じてプログラムの並列化についても検討する。
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Causes of Carryover |
アルゴリズムとプログラム開発の検討に予想以上に時間を要したため、初年度に購入予定であった計算設備の購入が1年ずれ込んだ。この影響で1年ずつ計算設備の購入が遅れている。
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Research Products
(1 results)