2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a molecular visualization system with virtual reality and haptic technologies
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18K11520
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西 羽美 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (40745121)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バーチャルリアリティ / タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
生命科学研究においてタンパク質の立体構造の理解は不可欠であり、その可視化と直感的な操作は理解の手助けとなることが期待される。特に近年は構造予測手法が大きく発展し、可視化に利用可能な構造情報が一気に増加した。たとえば、2021年夏に公開されその後も拡張を続けてきたAlphaFold Structural Databaseは現在、UniProtに収められているほぼ全てのタンパク質に対しAlphaFold2による予測構造を提供している。さらに2022年末にはMetaによるESMFoldの予測構造データベース ESM Metagenomic Atlas や高速な構造予測器が公開され、多様なデータベースから直接構造情報を得て表示する機能が求められつつある。そこで本年度は昨年度に引き続き、これらの予測構造のVR空間内での可視化とその情報に基づく力覚表現に取り組んだ。特に、AlphaFold2およびESMFoldは残基ごとの信頼度スコアとしてpLDDTと呼ばれる値を出力し、これが天然変性領域に対応することが知られているため、この値を考慮した簡易な柔軟性の表現に取り組み実装を完了した。ただし、もう一つの信頼性指標である残基ペア間の相対配置の確かさを表すPAEを考慮した表現については、全てのペアの値をリアルタイムに扱うのは現実的でないため、ある程度の大きさを持った構造ドメインをPAEに基づいて同定し、それらのドメイン間の相対配置を表現するものとして取り込むことを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度はAlphaFold Structural Databaseの公開によって計画を変更する必要があったが、変更後の計画の実施についてはほぼ予定通り進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
全体の研究計画のうち可視化部分についてはほぼ完了したため、インタラクティブな要素として簡易な粗視化フォールディングの実装に取り組む。また分子ドッキングについても、AlphaFillなどのAlphaFold予測構造に基づくデータに対応し、実装を行う。
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Causes of Carryover |
本年度も新型コロナウィルスの影響により海外出張等の機会が減少していたため。
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