2018 Fiscal Year Research-status Report
機械学習・深層学習に基づいた多層化統合エピジェネティクスデータベースの構築
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18K11542
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
金子 修三 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (10777006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜本 隆二 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (80321800)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / ChIP-seq / ATAC-seq / オミックス解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
“がん”という病態の本態解明において、エピジェネティクスの重要性が認識されており、その中でも、長鎖ノンコーディングRNAやヒストンメチル化が重要な役割を担っていることが明らかになっている。一方“がん”におけるエピジェネティクス機構の統一的な解析手法が確立されておらず、近年急速に進歩している人工知能の中核的アルゴリズムである深層学習を用いた解析の可能性が示唆されている。以上の事を踏まえ、本研究課題では以下の3つの達成目標を掲げている。(1)希少サンプルを用いたChIP-seq法・ATAC-seq法の開発。(2)臨床検体など希少サンプルを用いたシングルセルレベルでのクロマチン構造や長鎖ノンコーディングRNAの細胞内局在の解明。(3)上記の細胞画像情報・NGS解析情報を統合解析するための機械学習・深層学習に基づいた、がんエピジェネティクスの本態解明。平成30年度の達成目標としては、希少サンプルを用いた新規ChIP-seq法の確立を目指しており、肝細胞がんだけでなく卵巣がんの腫瘍検体を用いたChIP-seq解析を試みた結果、概ね良好な結果を得ており、引き続き研究計画通りに進めて行く。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の達成目標である希少サンプルを用いた新規ChIP-seq法の確立を試みた。その結果としてFFPE卵巣がん組織を対象としたChIP-seq解析において、複数のヒストン修飾のみならず転写因子においても良好な結果を得た。従って当初の予定通り、我々の新規ChIP-seq法の汎用性を実証出来たと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究計画に基づき、シングルセルレベルでのクロマチン構造の細胞画像の取得に取り組む。更に臨床検体を用いたChIP-seq解析のみならず、ATAC-seqも実施し、がんの本態解明に向けて更に包括的理解に繋げていく。
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Causes of Carryover |
当初の予定よりも順調に研究が進み、消耗品等の購入が最小限に抑えることが出来た。いち早く成果発表が出来る為に、本研究計画を前倒しで実施させていただく予定である。その為、翌年度分として請求した助成金と合わせて使用させて頂く。
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