2019 Fiscal Year Research-status Report
どこでも歩行者ナビ:事前データ収集を必要としない歩行者ナビゲーションの開発
Project/Area Number |
18K11546
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅谷 至寛 東北大学, 工学研究科, 准教授 (80323062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大町 真一郎 東北大学, 工学研究科, 教授 (30250856)
宮崎 智 東北大学, 工学研究科, 助教 (10755101)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 歩行者ナビゲーション / 位置推定 / ユビキタスコンピューティング / computer vision |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では測位インフラやマップ等の事前準備なしでの屋内歩行者ナビゲーションを実現することを目指しており,人間が利用するために提供されている案内表示板等の情報を利用することが特徴である.施設の出入口やエレベーター・エスカレータ付近に設置されている案内板にはフロアマップを含んでいることが多く,これをスマートフォンのカメラで撮影して解析・理解することで,ナビゲーションに必要な電子マップをその場で獲得できる.相対的な位置の変化を推定できる歩行者デッドレコニングと組み合わせることで,事前準備なしの歩行者ナビゲーションを実現できる. しかし,フロアマップには幾何的な縮尺の歪や,特定のオブジェクトを強調して表記することによる局所的な歪が存在することが少なくない.粒子フィルタを用いて位置推定と同時に推定縮尺の更新を行うことで軽微な歪には対応できるが,大きな歪には対応できていなかった.より大きな歪を含むフロアマップに対応するためには要所要所で位置のキャリブレーションをなるべく利用者の負担にならない方法で行う必要があり,当該年度は,駅や地下街などに設置されている天吊り案内板をカメラで撮影し,マップと照合することによって大まかな絶対位置を推定する手法の開発を行った.深層学習を用いた天吊り案内板の検出,案内板内の矢印や数字等の重要な記号の抽出に文字認識を組み合わせ,マップから抽出したグラフを用いて大まかな現在位置を論理的に推定することが可能であることを示した.さらに,撮影した天吊り案内板からの距離を推定する手法についても検討を行い,一定の条件下でSVRを用いて実現できることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度では,天吊り案内板をカメラで撮影することによって大まかな絶対位置を推定することに取り組んだ. 天吊り案内板は,深層学習を用いることで高い精度で検出可能である.案内板内の矢印や数字等の重要な記号の抽出に文字認識を組み合わせ,マップから抽出したグラフを用いて論理的に大まかな現在位置を8割以上の精度で推定できた. SVRによる距離推定を組み合わせた総合的な距離推定の精度は高くないが,グラフ上での位置推定に成功した場合に限れば,10m以内での距離推定を70%の精度で実現できた. 以上のことから,おおむね順調に推移していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
撮影した案内板に含まれるマップが,場合によっては大きな歪を含むことに対する検討をさらに進める.粒子フィルタに改良を加えて,マップに歪があっても尤もらしい歩行パスを推定できる手法を検討する.また,位置推定と同時に局所的なマップに歪の量を推定する手法を検討していく. カメラを用いた大まかな位置の推定,マップからの情報抽出についても引き続き検討していく.
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Causes of Carryover |
(次年度使用額が生じた理由) 次年度使用額は,新型コロナウイルスへの対応のためにいくつかの情報収集のための出張が中止になったことにより生じたもの,および,研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である. (使用計画) 次年度(令和2年度)請求額と合わせ,開発用ワークステーションの購入等,次年度の研究遂行のために使用する予定である.
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Research Products
(2 results)