2018 Fiscal Year Research-status Report
IoT/CPS時代の安全で役立つサービス構築のためのモデル駆動開発手法の研究
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18K11552
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
松浦 佐江子 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (10348906)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | モデル駆動開発 / サービスの安全性検証 / サービスの満足度 / IoT/CPS / UML / モデル検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、IoT(Internet of Things)サービスの構築に向け、UMLを用いた高品質なサービスを効率よく実現するモデル駆動開発手法を研究している。2018年度は、課題1、2に対して、以下の研究を行った。 課題1「ワークフローに対する非機能要求の検証を踏まえてユースケース部品を開発する方法」については、要求分析モデルから設計モデルへの変換、設計モデルから実装への変換のツールの開発と事例分析を行い、非機能要求がどの段階のどのモデルに対して、いつ、どのような形式で定義できるかについて検討した。要求分析段階で明らかになるデータの不変条件をユースケース記述のアクションの条件とする等、各変換の実装におけるターゲットを生成するために必要となるソースモデルの要素を確認した。これにより、各フェーズ間の決定事項をプロダクト間のトレーサビリティ情報として管理すべき情報が検討できた。 課題2「ワークフローのモデル検査による検証方法」については、以下のツールの開発を通して、サービスのゴールの検証方法を検討した。 ・UML要求分析モデルを形式手法の1つであるモデル検査UPPAAL用モデルへの自動変換することにより、網羅的な検証を可能とするモデル検査ツールを用いて、要求分析モデルの到達可能性や安全性を検証する。この際、サブシステム間のシグナル送受信による協調動作の整合性に加えて、クラス図に定義された項目に基づき、各フローの事前条件、事後条件、オブジェクトノードに対応する状態変数を抽出し、不要なパスの検査を除去することができた。これにより、モデル検査ツールでの検査項目を増やすことができた。 ・複数の連携するシステムの機能要求を定義したワークフローモデルに対して、各サブシステムの状態遷移モデルによる仕様との対比により、ワークフローが仕様に対して正確に定義されているかの確認を行う方法の方針が立った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初想定した研究課題の内、1および2については、想定通り、事例を増やしながら、検討が進んでおり、研究成果については学会発表を行っている。課題3については、大学院授業の中で、「小規模製造業のIT化」や「家事の見える化」という、要求獲得が、さまざまな非機能要求によって難しい社会的課題を分析課題として設定し、要求を獲得するために必要な情報と分析時の問題を実験的に検討している。これらの状況から、本研究はおおむね順調に進行していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
開発中のツールを改善しながら、検証項目を確立する。IoTの特性である、システム構成の影響や、日本工業規格JIS 25010:2013で定義されている品質モデルの要素である、利用時の品質モデルならびに、製品品質モデルの観点から、要求を獲得する事例の開発を始めており、品質という非機能要求の観点とモデルの関係を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
当初想定していた国内出張が、学務の都合上実施できなくなったため次年度使用額が生じた。調査及び研究発表のための出張に使用する予定である。
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