2020 Fiscal Year Research-status Report
Privacy protecting framework for next generation digital learning environment
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18K11568
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
永井 孝幸 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 准教授 (00341074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桝田 秀夫 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 教授 (90304063)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コンテナ型仮想化 / パーソナルLMS / 分散型LMS |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの検討結果にもとづき、複数のパーソナルLMSが同時並行的に動作するデジタル学習環境の構築を行った。本環境の構築においてはパブリッククラウド環境(さくらインターネット)にコンテナ型仮想化技術と国立情報学研究所の開発したLiterate Computingの技術を組合わせることで、大幅な作業期間の短縮を実現した。
次に、パーソナルLMSにおけるコンテンツ共有機能の実装について基礎検討を行った。その結果、原本を保持するマスターLMSから各パーソナルLMSに対してコース情報の差分情報を配信する方式が有効であるとの結論を得た。これにより、既存の集中型LMSで実施しているコースコンテンツをパーソナルLMS上で利用できる見通しが得られた。
また、新型コロナ肺炎対応の一環として所属校の全学LMS(Moodle)を他大学と共同で大規模に同時利用するためのシステム改修ならびにシステム利用規約の策定を行った。この過程を通じて集中型LMSにおける性能・運用上の課題について知見が得られた。本研究で想定しているパーソナルLMSを基盤とした分散型LMS構成によるデジタル学習環境はパンデミック対策としても有効であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は新型コロナ肺炎対応における所属部局(情報科学センター)の全学支援業務が大幅に増え、当初想定していた研究エフォートが確保できない状況となった。また、研究活動もリモート活動に制限される期間が続いたため、研究活動の効率が大幅に低下した。
そのため、当初予定ではプライベートLMSに対してLMS間通信機能を実装する予定であったが、この部分で大幅な遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
パーソナルLMSに対してLMS間通信機能を実装することで,既存の集中型LMSで実施している共通コース上での協調学習と同等の学習活動が行えるように機能を拡張することが次の目標となる。
これまでに得られた知見と要素技術を組合わせて複数のパーソナルLMSが同時並行的に動作するデジタル学習環境を学習者に提供し、実際の科目においてプライバシー保護の要求を満たすかどうかの確認を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度は国内・国外における出張の自粛要請が出されたほか、各種学会がオンライン開催となったことから、出張での支出を予定していた旅費について残額が生じた。安全に出張できる状況になり次第、成果発表などの旅費として支出する予定である。
また、昨年度の検討において、パーソナルLMS実行環境全体をオンプレミス環境で構築するよりも一部をパブリッククラウド環境上に構築し実験規模を柔軟に変更できる構成とする方が合理的であるという結論にいたっている。このため、設備備品費の一部をサーバ購入ではなくパブリッククラウドの利用料金に充てることとし、2021年度のパーソナルLMS実行環境の維持費として支出する計画である。
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