2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of three party tutoring system for mastering machine learning
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18K11569
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
荒木 雅弘 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 准教授 (50252490)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 知的チュータリングシステム / 質問応答システム / マルチモーダル対話 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、学習者の覚醒度を保ちつつ、心理的な負担が小さいチュータリングシステムは実現できるか、また、その実現において最も本質的な要素は何かという問題を探求している。そのための手法として、学習者への刺激を高めるバーチャルエージェントによる音声対話を用い、一対一対話よりも心理的負担の小さい三者対話の場を設定することで、飽きず、かつ疲れすぎずに学習が進められる環境を実現する。 本年度は主として、システムからの質問に対するユーザの解答の評価手法の開発に取り組んだ。評価手法としては、教科書中の文から知識を体系的に表現できる知識グラフを構築し、それに基づいた解答の詳細な評価手法を検討した。また既存のデータセットには正解か不正解かの評価ラベルだけが付与されているものが多く、本研究の目的に適合しない。さらに日本語で公開されているデータセットは多く存在しない。そこで高等学校の授業科目である情報Iに関する発問を作成し、それに対する解答へ詳細な評価ラベルを付与したデータセットの構築を行った。 教科書の知識グラフに基づいた解答の評価手法を検討する際、単語の依存関係をリレーションとする方法と、述語をリレーションとする方法でそれぞれ知識グラフを構築し、どちらの知識グラフが解答の評価に有効な情報を提供するかを検証した。その結果、教科書の単語の依存関係をリレーションとする知識グラフは、入力文の言語的な構造関係を変動させてしまい、解答の評価ができないとわかった。一方、述語をリレーションとする知識グラフは解答の評価に必要な文の意味を提供することができ、KAGM from K-BERT が最も有効な手法であるとわかった。また事前学習で教科書に基づいた単語の表現を獲得する手法より、知識グラフを用いて知識を明確に表現する手法の方が、解答を詳細に評価する上では有効であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
質問応答における解答評価用データセットの構築および評価手法の実装が完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで作成した要素技術を整理してフレームワークとして実装し、具体的なチュータリングシステムを作成したうえで被験者実験を行って、取り組みやすさと心理的負担軽減の評価を行う。
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Causes of Carryover |
学会発表のための旅費で剰余が生じたので、次年度の発表旅費に充てる。
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