2018 Fiscal Year Research-status Report
物理的インタフェースを持つ情報ネットワーク技術学習教材の開発に関する研究
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18K11570
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
渡辺 健次 広島大学, 教育学研究科, 教授 (00220880)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ネットワーク技術学習 / 物理的可視化 / 物理的直接操作 / 教材開発 / 学習支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
情報ネットワーク技術の学習の問題点に、適切な教材が無いため、実験や実習を行うことが難しいことがある。加えて、情報ネットワークが目に触れないところで働いているため、動作を直接見ることができないことも学習を難しくしている。そこで我々は、物理的可視化および物理的直接操作からなる物理的インタフェースというコンセプトを提唱し、それに基づいて中学校および高等学校向けの情報ネットワーク技術の学習ができる教材を開発する研究を行っている。本研究の目的は、経路制御の仕組みを学ぶ教材「ルータ」を開発し、既に開発したIPアドレスを学習する教材と合わせて実際に授業で用いることを目指すものである。 本年度はシングルボードコンピュータであるRapsberry Piを用いてルータを作成し、それを用いて構成したネットワークの経路をLEDテープを用いて物理的可視化する教材の開発を行った。Rapsberry Piは安価であり、教材としての導入が難しくない、という観点から選択した。LEDテープはRapsberry Piと接続され、通信の様子を光の流れで表現するように制御している。また、色も制御することで、ネットワークの違いを表現している。 インターネットの特徴のひとつに、通信経路が同的に変化する、というものがある。開発した教材は、通信経路が変化すると、新しい経路のLEDテープが光ることで、通信経路の変化を直感的に見ることが出来る。想定したとおりの動作を行うことを確認した。 開発した教材については、途中経過も含めて学会で発表することで、広く成果を還元した。また、2019年に開催される国際学会においても発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の開発計画では、平成30年度中にSDN (Software Defined Network) 技術であるOpenFlowを用いてルータを開発する予定であったが、LEDテープを用いて通信経路を物理的可視化する教材の開発に集中したため、OpenFlowを用いることなくRapsberry PiのOSの機能を用いたルータを開発に留まった。OpenFlowを用いたルータの開発については、平成31年度に集中的に行うことで、研究の遅れをリカバーする予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの進捗状況」にも記したように、平成31年度はOpenFlowを用いたルータの開発を集中して行う予定である。シングルボードコンピュータであるRapsberry piにOpenFlowを導入し、ルータとしての機能を実装する。 合わせて、経路表の入力に関するインタフェースを開発し、令和2年度中に開発した教材を用いた授業実践が行えるように、完成度を高める予定である。
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Causes of Carryover |
予定していたOpenFlowによるルータの開発ができなかったこともあり、学会で発表する回数が予定よりも少なかったため、次年度使用額が発生した。2019年度中に、昨年度に行った研究成果についても、今年度に開催される国際学会で発表する予定であることから、次年度使用額を今年度の助成金の旅費と合算して使用する計画である。
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Research Products
(2 results)