2022 Fiscal Year Research-status Report
アクティブラーニングとe-learningによる小学生用防災教育カリキュラム開発
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18K11583
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
森 博彦 東京都市大学, 情報工学部, 教授 (10247124)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 防災教育 / ハザードマップ / 認知地図 / 発達過程 / アクティブラーニング / e-learning |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は新宿区立愛日小学校で作成したカリキュラムに従って授業を実施した。作成したカリキュラムは、第1回はどのような災害が起きたときにはどのような場所に危険が潜むか、またどのような避難行動を取るべきかについて、座学講義である。第2回目では、第1回目の講義を受けて、どのような場所が災害時に危険かを児童が自ら探すフィールドワークを行う。発見した箇所は携帯したタブレットで写真を撮影し、どのような災害時にどのような危険があるかを紙にメモを取る。紙にメモを取らせる理由は、路上でのタブレット入力は危険であること、また歩きスマホを肯定するようなことを教育するのは良くないためである。教室に戻ってからは、紙でとったメモをタブレットに入力する作業を行う。第3回目では、発見した箇所とその理由を整理し、班ごとに発表、それぞれの班で視点がどのように違うのかを議論する。第4回目ではそれをスライドにまとめ、班ごとに発表をおこなう。 以上のようなカリキュラムを実際に実施した。 第1回目の講義では座学にも関わらず、児童たちは大変興味深く聞き入っていた。フィールドワークでは、児童たちは自ら積極的に危険箇所を探し、班内で色々な議論を行っていた。また、教室に戻ってからのクラス全体のディスカッションでも、活発な議論と情報共有が行われ、班による視点の違いも認識していた。このように、児童たちは防災について興味を持ったのと同時に、防災時の避難行動についても真剣に考えるようにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度まではCOVID-19の影響で授業を実施することができなかったが、本年度は実施することができ、作成したカリキュラムの実施をすることができた。児童たちは大変興味深く講義を聞くとともに、フィールドワークではかなり積極的に危険箇所を探していた。また教室でのディスカッションも盛んで、カリキュラムの効果が大きいことが実証できた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は小学校の授業日程の都合でフィールドワークを1回しか実施できなかったが、来年度は教室でディスカッションを行った後、もう一度フィールドワークを行い、1回目と2回目では、発見する箇所や探すときの視点がどのように変化するのかを観測し、カリキュラムのさらなる改定をしていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
本年度は予定より授業回数が少なかったため、実験のサポートをする人件費が少なかったこと、また、座学で使う機器も必要なかったためである。次年度は座学の際に災害の実際をARを用いて行う計画であるため、そのための機材が必要で、それの購入を行いたい。
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Research Products
(1 results)