2020 Fiscal Year Research-status Report
実践的ソフトウェア開発に寄与するプログラミングおよびコーディング学習に関する研究
Project/Area Number |
18K11587
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
納富 一宏 神奈川工科大学, 情報学部, 教授 (50228300)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | プログラミング教育 / ソフトウェア開発 / コーディングスタイル / ラピッド・プロトタイピング / コードレビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,「プログラミング時のキーボード操作における時系列情報を活用したコーディングスタイル学習」を実現するシステムを開発研究することにより,提案方式およびシステムがプログラミングのコーディングにまつわる問題解決に寄与できること,さらには,企業が求めるIT人材養成の実践教育に役立つことを明らかにすることを目的に3年目の取り組みに臨んだ.しかしながら,想定外の長期に渡るコロナ禍の影響は研究遂行に大きな支障を及ぼしことから,計画の変更を余儀なくされた.このことにより,ステップ3として,3年目に掲げた目標「コーディングスタイル学習情報による学生への有効なフィードバックへの応用」については成果が乏しい.よって,本課題の継続により実績を残すべく研究を進めたい.
(1)コロナ禍におけるオンライン授業対応が全面的に行われたことにより,独自システム構築によるコーディング時の動的要素の提供は, Zoomなどに代表されるウェブ会議システム等の導入により,より簡便に実施できることが確認され,実際のプログラミング実習授業においても,オンラインでの指導が可能であることが示された.また,オンライン授業を実施する共通フレームワークが広く一般に認知されたことにより,本課題の研究方針であった,動的コーディング学習教材の提供の幅が広がったと考えられる.本課題の応用範囲の拡大が期待できることから,今後の展開についてのヒントが得られた.
(2)指導者によるコーディングシーケンスをお手本として学習者へ提示・活用する場合,①コーディング環境の操作に関するもの,②コーディングテクニックに関するもの,③プログラミング言語の文法に関するもの,といった分類を設け,それぞれの情報提供を行う必要があることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症(COVID-19)拡大防止のための対応により,大学ではオンライン授業を実施,対面授業を極力少なくし,実験等の必修目に限定するなどの措置を全面的に実施した.これら想定外の長期に渡るコロナ禍の影響は,従来の教育研究のみならず,本課題についての研究遂行にも大きな支障を及ぼしことから,計画の変更を余儀なくされた. 先に研究実績の概要でも述べた通り,3年目の目標である「コーディングスタイル学習情報による学生への有効なフィードバックへの応用」において,このことにより,ステップ3として,3年目に掲げた目標「コーディングスタイル学習情報による学生への有効なフィードバックへの応用」については成果が乏しい.よって,本課題の継続により実績を残すべく研究を進めたい.
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Strategy for Future Research Activity |
4年目となる2021年度は,本学においても感染対策を十分に施した上で,学生の入構制限を大きく緩和し,全体の50%以上の授業を対面で実施する方針である.プログラミング授業・実習についても対面を基本とすることになった.こうした状況の中,本課題で提案している「プログラミング時のキーボード操作における時系列情報を活用したコーディングスタイル学習」は,通常の動画データ配信による通信量を大きく削減する方式として最適であり,オンデマンド方式を採用することから,対面授業とは別に事前・事後学習への適用や反転授業への活用にも適していると考えられる.これらの点に着目し,検証実験により定量的な違いを明らかにしていきたい.
当初計画の通り,記録された情報の有効な活用方法を見出すことを目的として,教育・学習ポートフォリオへの応用を考慮すると共に,前年度に検討した3つのタイプ,すなわち,①コーディング環境の操作に関するもの,②コーディングテクニックに関するもの,③プログラミング言語の文法に関するもの,をそれぞれ用いて,学生へのフィードバックの実施と検証を行う.さらに,教育ポートフォリオ,学習ポートフォリオとしての付加価値として期待できる項目について検討を進める.
学生の反応に応じた情報提示のタイミングの工夫や追加課題の与え方など,授業進行モデルから得られる知見は学生への有効なフィードバックを考える上で重要となる.よって,本研究の最終段階として応用面にスポットを当てて検討を進め,本来実施すべきであった最終的なシステム開発および拡充を完成させる.
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のため,学会がオンライン開催となり,旅費の支出がなかった.また,データ分析補助のアルバイト雇用が計画通りに確保できず,研究計画の変更を余儀なくされたため,次年度での使用とした.
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