VR技術を用いたロボットプログラミング環境の構築と自動採点手法の確立

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K11591
• Research Institution: Osaka Institute of Technology
• Principal Investigator: 安留 誠吾 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (50252721)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: プログラミング教育

Outline of Annual Research Achievements

小中学校でのプログラミング教育の必修化に合わせ、プログラミングの塾などでロボットを制御するプログラムを作成することがある。一方で、大学でのプログラミング教育は、C、Javaなどのコンパイルを必要とする言語やpython, rubyなどのスクリプト言語が利用されていることが多い。大学でもロボットを題材としてプログラミング教育を行っていない訳ではないが、少人数のグループで行うしかなく、数十人規模の演習教室で行うにはいくつかの問題がある。 そこで、問題を解決するために、1. プログラミング環境の提供、2. 成果物の評価手法を提案、3. 自動採点システムとして実装を行う。
平成30年度には、1. のプログラミング環境を構築した。令和元年度には、2. 3. の自動採点システムを構築して、評価を行った。令和2年度には、Unity開発環境にてVuforiaというAR開発プラットフォームを利用し、プログラミング環境の構築を行なった。令和3年度には、より正確に現実世界を仮想空間に反映させるため、iPhone, iPadに搭載されているLiDARスキャナを活用したプログラミング環境構築を行った。LiDARスキャナを活用するためには、Appleが提供するARKitを利用するため、令和2年度に利用したVuforiaからの移行を行った。
今後は、同一仮想空間で複数のプログラム(仮想ロボット)を実行する機能を実装し、演習の進捗をモニタリングするシステムの構築を進めていく予定である。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

令和3年度は、これまで利用していたVuforiaというAR開発プラットフォームからAppleが提供するARKitへ移行を行った。仮想ロボットを仮想空間に配置することは早期に実現したが、平面の検出、物体の検出など、現実空間から得られる情報が膨大になり、それを仮想ロボットの動きと連携する部分がまだ実現できていない。今後、複数のプログラム(仮想ロボット)を実行する機能を実現するため、仮想空間の共有を実現していく予定である。

Strategy for Future Research Activity

プログラミング環境の改良ももちろんであるが、同一仮想空間で複数のプログラム(仮想ロボット)を実行する機能を実装する予定である。そのためには、ARKit2から利用可能となったワールドマップ共有機能を利用する予定である。この機能により、サーバを準備する必要がなく、最終年度に実現可能である。

Causes of Carryover

複数のプログラムを実行する機能を実現するために、仮想空間の共有が必要である。通常、何らかのデータを共有するためには、サーバが必要だと考えるが、ARKit2から利用可能となったワールドマップ共有機能を利用することにより、サーバの購入が不要となった。また、研究会等がオンラインでの開催になり、交通費、宿泊費が不要になったことも一因である。次年度使用額が785,592円であり、ARKitを使ったプログラミング開発環境の強化(ビルドの高速化)のためにPCの購入を計画している。