2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of high directional multiple information transmitting system which enables high-resolusion video display.
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18K11599
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
白木 厚司 千葉大学, 統合情報センター, 准教授 (10516462)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 指向性ボリュームディスプレイ / 多言語サイネージ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究において,糸とプロジェクタを用いたボリュームディスプレイを作製し,異なる映像を別々の方向に表示可能な指向性ディスプレイを開発した.しかし,先行研究における指向性ボリュームディスプレイでは,あらかじめ作成された20×20画素の映像をあらかじめ決められた任意の方向に表示するというものであった.そこで令和元年度は,本研究の目的の一つである,任意の人物の動きに映像を追従させるインタラクティブシステムの作成を主軸として研究を行った. 任意の人物の位置情報を取得するためにマイクロソフト社製のXbox One Kinectセンサやインテル社製のRealSenseを用いた.また,指向性映像の作成をGPUで高速に処理することで,64×64画素の映像であれば秒間30フレーム以上の速度で任意の6方向に表示することが可能となった.さらに,指向性スピーカーを回転制御することで,任意の人物に向けて指向性を持った音声を発信することが可能となった.これらのシステムを統合することで,20×20画素の指向性を持った映像を複数方向に表示し,任意の人物の動きに合わせて表示する映像を更新するインタラクティブシステムの開発に成功した.加えて,本システムの応用として,機械学習により観察者の発話言語を識別し,表示する映像を更新するという多言語サイネージのプロトタイプの開発に成功した. これらの成果はOSA(Optical Society of America)の論文誌であるOSA Continuumに1編掲載された他,国際会議で3件,国内学会で3件報告している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
任意の人物の位置情報の取得,指向性映像作成の高速化により,本研究の目的の一つである人物の動きに映像を追従させるインタラクティブシステムを実現している.一方で,本申請の課題である解像度の向上についてはアルゴリズムの見直しが必要であり,全体の進捗状況としてはやや遅れていると判断した. ただし,機械学習による音声識別などの機能を実装したことでアプリケーションとしての幅が広がっており,当初の計画以上のものとなり得る.
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Strategy for Future Research Activity |
指向性映像を作成するにあたり,現在のアルゴリズムでは水平解像度の2乗本の糸を配置する必要があり,高解像度化は困難である.仮に64×64画素の映像を表示する場合,4096本の糸が必要となる.そこで,1画素あたりの密度を配置条件に加えてアルゴリズムを見直し,表示する映像の画質を保ったままで配置する糸の本数を削減した指向性ディスプレイの実現を目指す.また,昨年度プロトタイプとして開発した多言語サイネージについて,音声識別の精度の向上や翻訳機能を実装するなど,実用的なシステムの開発を目指す.
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Causes of Carryover |
当初の計画に対し,指向性ディスプレイの高解像度化の課題がやや遅れているため物品費が少なく計上され,機械学習による多言語サイネージの課題などが進み,成果発表のための旅費・その他が多く計上されている.このような計画と実施状況との差により,次年度使用額が生じた.この差額は,やや遅れている課題に対しての物品費として使用する.
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Research Products
(7 results)