2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study on entertainment factors of chance play
Project/Area Number |
18K11608
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
水口 充 京都産業大学, 情報理工学部, 教授 (60415859)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エンタテイメント性 / 偶然性 / 主観的確率 / 制御幻想 / 操作感 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はCOVID-19感染拡大状況のため研究期間を延長し、遅延していた研究内容を実施した。具体的には、偶然の遊びの面白さの拡張を目指し、入出力を通して主体的な関与を強化する方法について有効性の検証を行った。 入力に関しては、スマホリングと称される把持アクセサリーのリングの回転で操作を行うデバイスについて、回す操作によるエンタテインメント作品を6つ制作し面白さを分析した。その結果、触覚を伴う実物体の操作による身体性、これまでに体験したことのない操作による新奇性、単純かつ自然な操作によるのめり込みやすさ、といった要因を洗い出すことができた。 出力に関しては、ゲーム映像中の緊迫するシーンで、ペルチェ素子で温感を呈示することによって興奮感や緊迫感を強調する効果を実験により検証した。その結果、楽しさ、面白さ、緊張感の各項目において温感呈示の有無で有意差が認められた。一方、冷静さ、焦り、興奮感については有意差が認められなかった。対象とするコンテンツや温感呈示の使用方法にも依存するものの、基本的な温感呈示による情動制御の効果を確認することができた。 本研究課題の研究期間全体を通じて、偶然の遊びにおいて期待感と熱中感の役割が大きいことを確認した。これらの効果を高める手法として、段階的な結果の通知、操作量の調節、身体性を伴う操作手段、音による疑似触覚の利用、温感呈示による情動の誘発、の各手段について効果を検証し有効性が確認できた。
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