2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K11610
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
三浦 昭 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (40280557)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 宇宙科学データ / コンテンツ制作 |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙科学に係る各種データータや関連アルゴリズムについて,学術研究に利すると共に,コンテンツ制作にとっても有益となるような形式で整備するための手法検討を行なっている.当該年度は,模擬データの生成手法・可視化手法の検討を進めると共に,係る手法の知見を応用して,科学観測データをコンテンツ制作者向けフォーマットに変換する手法について検討を行った. 模擬データに関しては,過年度から進めてきた「はやぶさ2」ミッションおよび係る学術研究に利する模擬データ生成・表現手法について,データの詳細化手法や表面材質の表現手法について検討を進めた.また「はやぶさ2」から得られた実観測データにこれらの手法を応用することにより,実観測データとシミュレーションデータの比較等が容易に実現できることとなった.係る手法は理学分野の解析等にも取り込まれて,研究成果が出始めたところである. これらの知見を応用することにより,宇宙科学研究所が保有する他分野の観測データにつていも,コンテンツ制作用素材へのデータ変換が容易となることが見出された.例えば,観測データの撮像時刻や科学衛星の軌道情報,その他関連するパラメータを勘案することにより,観測対象となった領域の3次元情報を復元し,それらを一般的なCGソフトが解釈可能な形状モデルやマッピングデータに変換することが可能となった.前述の模擬データ生成・可視化手法の検討に際して専用の可視化ソフトウェアを用いたのに対して,一般的な3D CGソフトウェアを想定した可視化用アセットの提供可能性を見出せたことで,コンテンツ制作分野での活用が広がるものと期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
模擬データの生成・表現手法については,当初想定していた,データ生成等の技術的な手法検討のみならず,それらの手法が理学研究の解析手段の一つとしても有益であることが見出された.またそれらの手法が,実際の科学観測データをコンテンツ制作者向けのフォーマットに変換する際にも有効であることが見出されたのは,模擬データと実観測データの両軸を見据えて研究を進めてきた成果であると考えられる. 結果として,当該年度は模擬データ生成と実観測データの双方で有益な成果が得られたと判断される. 以上に鑑み,本研究課題の進捗は,概ね順調に進展していると判断するものである.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで実施してきた調査・研究を推し進めると共に,得られた知見に基づいて,コンテンツ制作者向けデータ整備の検討を進める.また模擬データ生成についても,関連分野との連携をとりつつ検討を進る.併せて,コンテンツ制作の実践例としての映像制作やデモンストレーション等を進める予定である.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの流行に伴い,学会発表等.出張の中止や日程再調整が必要となった.同じく新型コロナウィルスの流行に伴い,購入予定品の納期が未定となった.以上の理由により次年度使用額が生じた.使用計画は以下の通りである.学会発表等は新型コロナウィルスの流行状況を見極めつつ,適切な学会等を選定する.購入品については,当該年度計画に準じて,予定していた物品もしくは相当品の購入を進める.
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Highly porous nature of a primitive asteroid revealed by thermal imaging2020
Author(s)
T.Okada, T.Fukuhara, S.Tanaka, M.Taguchi, T.Arai, H.Senshu, N.Sakatani, Y.Shimaki, H.Demura, Y.Ogawa, K.Suko, T.Sekiguchi, T.Kouyama, J.Takita, T.Matsunaga, T.Imamura, T.Wada, S.Hasegawa, J.Helbert, T.G.Muller, A.Hagermann, J.Biele, M.Grott, M.Hamm, M.Delbo, N.Hirata, N.Hirata, Y.Yamamoto, A.Miura, et al.
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Journal Title
Nature
Volume: 579
Pages: 518~522
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] リュウグウ近接運用における「はやぶさ2」の準リアルタイム・高精細可視化2020
Author(s)
三浦 昭, 井藤 良幸, 内野 康司, 中澤 哲明, 筒井 芳典, 北野 和宏, 松尾 建, 武井 悠人, 尾川 順子, 横田 康弘, 生田 ちさと, 吉川 真, 津田 雄一
Organizer
宇宙科学情報解析シンポジウム
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[Presentation] Nature of Roughness of Ryugu Revealed by Thermal Simulation of High Resolution Digital Elevation Model2019
Author(s)
S. Tanaka, A. Miura, N. Sakatani, Y. Shimaki,T. Okada, H. Senshu, J. Takita, S. Kikuchi, T. Arai, H. Demura, K. Suko, Y T. Sekiguchi, T. Fukuhara, M. Taguchi, T. Kouyama, E. Morikawa, M. Ito, J. Helbert, T. G. Mueller, A. Hagermann, J. Biele, M. Grott, M. Hamm, M. Delbo, N. Hirata, and N. Hirata
Organizer
Asteroid Science in the Age of Hayabusa2 and OSIRIS-REx
Int'l Joint Research
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[Presentation] Fine-grained region with low thermal inertia in craters on Ryugu2019
Author(s)
N.Sakatani,S.Tanaka,T.Okada,H.Senshu,T.Arai,H.Demura,K.Suko,Y.Shimaki,T.Sekiguchi,J.Takita,T.Fuhuhara,M.Taguchi,T.Muller,A.Hagermann,J.Biele,M.Grott,M.Hamm,M.Delbo,S.Sugita,R.Honda,T.Morota,M.Yamada,S.Kameda,E.Tatsumi,Y.Yokota,T.Kouyama,H.Suzuki,C.Honda,K.Ogawa,M.Hayakawa,K.Yoshioka,M.Matsuoka,Y.Cho,H.Sawada, A.Miura
Organizer
Asteroid Science in the Age of Hayabusa2 and OSIRIS-REx
Int'l Joint Research
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[Presentation] PLANS OF HAYABUSA2’s ONC IMAGE ARCHIVING AND PUBLIC RELEASE2019
Author(s)
R. Honda, Y. Yokota, M. Yamada, Y. Yamamoto, S. Murakami, K. Crombie, E. Tatsumi, T. Kouyama, T. Morota, M. Matsuoka, S. Sugita, S. Kameda, H. Suzuki, N. Sakatani, Y. Cho, M. Hayakawa, C. Honda, K. Yoshioka, H. Sawada, N. Hirata, N. Hirata, A. Miura, H. Ohtake, H. Sato, H. Kikuchi
Organizer
Asteroid Science in the Age of Hayabusa2 and OSIRIS-REx
Int'l Joint Research
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[Presentation] "Landing Site Selection for Hayabusa2: Scientific Evaluation of the Candidate Sites on Asteroid (162173) Ryugu2019
Author(s)
H.Yabuta,S.Watanabe,T.Nakamura,N.Hirata,S.Sugita,T.Okada,K.Kitazato,Y.Ishihara,T.Morota,N.Sakatani,K.Matsumoto,K.Wada,S.Tachibana,M.Komatsu,E.Tatsumi,M.Matsuoka,C.Honda,T.Hiroi,H.Senshu,R.Honda,Y.Yokota,R.Noguchi,Y.Shimaki,D.L.Domingue,L.L.Corre,A.Barucci,E.Palomba,S.Kikuchi,A.Miura, et al.
Organizer
日本地球惑星科学連合2019年大会
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