2023 Fiscal Year Research-status Report
マイクロ波合成開口レーダによる森林構造解析と熱帯の鳥類多様性との連関の検証
Project/Area Number |
18K11626
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
小林 祥子 玉川大学, 農学部, 准教授 (10537103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 素子 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携研究員 (50456828) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マイクロ波衛星 / 植林地 / L-band / 森林構造 / SAR / 衛星リモートセンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度より「L-band SAR データを用いたインドネシア・スマトラ島 南スマトラ州のユーカリ植林地における森林構造に関する解析」を進めていた。本解析の中では、ALOS-2/PALSAR-2のL-band合成開口レーダ(Synthetic Aperture Radar: SAR)データとユーカリ植林地での現場調査において取得した各林層の植生被度データ:森林構造パラメータ(Forest canopy coverage, trunk volume, understory coverage)を解析し、どの森林パラメータが L-bandの後方散乱に影響するのかを統計解析(重回帰分析)より明らかにした。解析の結果、ある特定の条件下においては、L-band SAR パラメータにより、ユーカリ林冠下の下層植生の被度を推定できる可能性を示唆した。 2023年度は、このユーカリ林内における下層植生のCoverageとL-band SAR parameterの関係性を明らかにした論文を原著論文として、GIScience & Remote Sensing(Taylor & Francis)へ投稿し、2023年度(2024年2月)にMinor Revisionに至った。現在、査読者によるレビューを受けている段階である。さらに、水稲圃場における現場調査をもとに、マイクロ波SAR衛星(C-band SAR)の2偏波画像の後方散乱と植生水分量との関係を解析し、植生域におけるマイクロ波の散乱特性を理解するための重要な知見が得た。現在、原著論文としてまとめているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
L-bandを用いた下層植生推定に関わる解析が順調に進み、論文としてまとめることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
LバンドSARデータを用いたユーカリ植林地における下層植生の解析より、さらに樹高を細かくカテゴライズすることにより下層植生の被覆度を推定できる可能性が見えてきたため、L-bandに加えてC-bandのデータを加えて解析を実施する。
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Causes of Carryover |
現場調査を行うことができなかったため、次年度使用額が生じた。現在、これまでのデータを使用して解析を進めており、論文の英文校正費用と論文の出版費用に利用する。
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