2020 Fiscal Year Annual Research Report
Estimation of ice flow velocity of Shirase Glacier and its surrounding landfast ice in East Antarctica using synthetic aperture radar imagery
Project/Area Number |
18K11627
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中村 和樹 日本大学, 工学部, 准教授 (60435500)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 東南極 / 氷河 / 流動 / 合成開口レーダ |
Outline of Annual Research Achievements |
陸域観測技術衛星2号(ALOS-2)搭載フェイズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ2型(PALSAR-2)の振幅画像に画像相関法を適用することにより、白瀬氷河の流動速度が推定可能であることを示してきた。最終年度では、PALSAR-2観測に同期する白瀬氷河上に設置されたアイスレーダ(ApRES)に搭載されたGPSによる緯度・経度情報から流動速度を算出し、PALSAR-2データに画像相関法を適用することにより推定された流動速度の検証を試みた。 PALSAR-2レベル1.1のSLC(single-look complex)データを使用し、はじめに画像ペアをENVIによりサブピクセルでの位置合わせ(標準偏差0.1ピクセル以下)を実施した。つぎに、レンジに1ルックおよびアジマスに2ルックのマルチルック処理を行った後にグランドレンジ画像へ変換し、ピクセルスペーシングを8 mにリサンプリングした。処理後の実効上の推定誤差は、サブピクセルの位置合わせにより0.1 pixel、流動速度にして0.03 km a-1とみなせる。画像相関法により氷河の流動速度を調べることができた画像ペアは、2018年7月~2019年8月において20ペアである。 PALSAR-2の画像取得と同期するようにApRESに搭載されたGPSによる緯度・経度情報をグランドトゥルースとし、2地点間の距離として算出して年当たりの流動速度に変換した。 白瀬氷河の流動速度について、ApRESによる計測結果とPALSAR-2による推定結果を比較した結果、RMS誤差が0.046 km -1であった。PALSAR-2による流動速度の推定結果の実効上の誤差が0.03 km a-1であることから、流動速度の計測結果と調和的であった。
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