2018 Fiscal Year Research-status Report
UAV-borne atmospheric aerosol flux measurement
Project/Area Number |
18K11635
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
宮川 拓真 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究開発センター, 研究員 (30707568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 寛介 京都大学, 防災研究所, 特定准教授 (10578967)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ドローン / 鉛直観測 / 光学式エアロゾル粒子計数 / エアロゾル粒径分布 / ブラックカーボン / 一酸化炭素 / 旋回流 |
Outline of Annual Research Achievements |
[観測サイトの整備]観測場所である海洋研究開発機構は、人口密集地域にあたり、本来は飛行できない場所であるが、国交省から、敷地内での飛行許可を得た。研究所内で、ドローンを飛行できる環境を整備した。 [エアロゾル観測] 2種の計測セットを整備した。1つ目は総エアロゾル、ブラックカーボン、一次排出ガス(一酸化炭素、二酸化炭素)の計測能を備えた都市大気向きのセット、他方は直径150 nmまでの微小粒子をサイズごとに計数できる光散乱方式のエアロゾル粒子計数能を備えたものである。陸上での動作試験はすでに終えた。ブラックカーボンに関しては、高精度装置との相互比較からデータ補正方法を確立した。一酸化炭素に関しても、市販の大型の装置により小型センサーの評価を行って、都市大気や排出源近傍なら十分に利用可能であることを確かめた。現在はフライトを伴う動作確認を開始している。 ブレードの旋回流の影響を最小限に抑えるために、ドローンの直上50㎝程度の高さにサンプリングポイントを設定できるよう、機体にポールを立てる改造を施した。 [気象観測] ドローンのブレード回転に伴う旋回風が、搭載した超音波風速計の計測値に及ぼす影響について予備調査を実施した。無風状態が期待できる屋内のドローン練習場内で、風速計を搭載したドローンを指定高度でホバリングさせ、風速データを取得した。得られた観測データを統計的に解析し、ブレード回転に伴う旋回風の影響を定量的に評価した結果、小さいが無視できないバイアスを持つことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
観測場所の整備を滞りなく行った。各拠点にドローン及びペイロードとなる計測機器類の整備や、高精度化に向けた取り組みを予定通り実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は大きく分けて、①大気組成のリピート観測と②2台同時観測の2つを実施する予定である。①においては、毎月1-2週間の連続観測を実施して、日変化・季節変化を調べ、ゾンデや航空機のチャーターとは異なる低コストアプローチの強みを生かした新しい大気組成の鉛直データ取得方法を試みる。②においては、フラックス計測の最初の試行を行う。
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Causes of Carryover |
機器類のメンテナンス用の交換部品や故障に備えていたが、幸いトラブルがなく、想定より支出をおさえることができた。ドローンの整備調整のために必要な消耗品の購入を行う。
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