2020 Fiscal Year Annual Research Report
Verification of avoidance of radiation-induced acute injury by adipose stem cell (ADSC) transplantation -Focus on bone marrow damage-
| Project/Area Number |
18K11649
|
|---|
| Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
|---|
Principal Investigator |
大津山 彰 産業医科大学, 医学部, 准教授 (10194218)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
| Keywords | 脂肪幹細胞 / ADSC / 放射線障害 / 幹細胞移植 / 組織再生 / 再生医療 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
H30年度の実験では、ICRメスマウスにX線6Gyを全身照射直後、ICRオスマウスのADSC(脂肪幹細胞)を伏在静脈(iv:1X10^6/500μl)あるいは腹腔内(ip:1X10^7/1ml)に投与し、生存率を経時的に観察した。6Gy照射iv移植群は約650日で、照射非移植群は約600日で観察が終了し、移植群と非移植群の生存率に移植後20日目で30%の差があり有意差があった。ip移植群と非移植群間の生存率に有意差はなかった。
R1年度の実験では、C57BL/6メスマウスにX線6.5Gy全身照射直後、C57BL/6オスマウスのADSCを伏在静脈(1X10^6個/500μl)に投与し(移植群108匹、非移植群168匹)、生存率を経時的に観察した。6.5Gy照射iv移植群は約600日で、照射非移植群は約400日で観察が終了し、移植群と非移植群の生存率に移植後20日目で30%の差があり有意差があった。
ADSCの移植と再生目的臓器の幹細胞を同時移植するとさらに効率の良い再生効果があるとの論文が複数発表されており、ADSCと骨髄細胞(BMC)を同時に移植する実験系も行った。ADSC(1X10^6)とBMC(1X10^5)を混合移植し、250日が経過しているが、移植群と非移植群の生存率ni移植後20日目で50%の差があり有意差がみられ、ADSC+BMC混合移植ではより大きな放射線障害回避効果がみられた。
R2年度は移植細胞の体内での動向を追跡するのに、PKH26でADSCをラベルし移植後組織学的に追ったところ、移植後7、30日目にレシピエントの肺・脾臓で存在を認めた。また、ドナーのオスY染色体上のマーカー遺伝子ssty2をPCRで解析したところ肺・脾臓・骨髄で存在を認めた。また30日目の脾臓の病理所見で髄外造血象が観察され、ADSC移植は放射線誘発障害回避に有益であることがわかった。
|
