2019 Fiscal Year Research-status Report
非侵襲生体イメージング法による生体内修復機構の解明:次世代DSBセンサーマウス
Project/Area Number |
18K11653
|
Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
小池 学 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 重粒子線治療研究部, 上席研究員(定常) (70280740)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | Ku70 / DSB / XLF / NHEJ / Live cell imaging |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線により誘発されたDNA二本鎖切断(DSB)は生体にとって最も重篤なDNA損傷である。培養細胞の解析から、 DSBは主に、非相同末端結合(NHEJ)と相同組換え(HR)の2つの機構によって修復するとされている。一方、生体内では複雑な調節を受けていると予測されるが、損傷直後から始まる修復過程を生体内で検出する方法は未開発である。最近、私達はNHEJ機構を生体皮膚で検出し、トレースするためのDSBセンサーマウスの開発に成功した。本研究では新たな次世代DSB修復センサーマウスを開発し、生体内で損傷直後から始まるDNA修復の分子機構を非侵襲的にリアルタイムに解析することを通じて、DNA修復に関わる未解明な生理的意義を提示したいと考えている。本年度は、マウス小腸におけるDSB修復蛋白質の発現解析等を行うために、培養細胞等を用いてDSB修復タンパク質の検出条件の検索と抗体の特異性の解析結果について、引き続き検討を行った。また、新たなDNA組換えマウスの作成を開始した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度初頭に、研究代表者が入院加療を受け、しばらくの間、実験に関わる諸手続きやマウスの飼育ができなかったこと、さらに、年度後半にコロナウイルス感染症対策への対応でマウスの飼育を縮小する必要が生じたことから、やや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
まず、コロナウイルス感染症対策により縮小したマウスを飼育管理する体制と細胞を培養する体制を整えてから、昨年度行う予定であった遅れている実験を推進する予定である。
|
Causes of Carryover |
(次年度使用が生じた理由) 年度初頭に、研究代表者が入院加療を受け、しばらくの間、実験に関わる諸手続きやマウスの飼育ができなかったこと、さらに、年度後半にコロナウイルス感染症対策への対応でマウスの飼育を縮小する必要が生じたことから、研究がやや遅れたために、次年度使用が生じた。
(使用計画) 繰り越した研究費は、今後の研究の推進方策にそって、主に、昨年度行う予定であった遅れているマウスの実験を推進する経費として使用する予定である。
|