2020 Fiscal Year Annual Research Report
Contamination of chlorinated bisphenol S in aquatic environment.
Project/Area Number |
18K11670
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
山田 建太 常葉大学, 社会環境学部, 講師 (60637057)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ビスフェノールS / 塩素置換体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、測定対象物質であるビスフェノールS(BPS)と塩素置換BPS(monoCl-BPS、diCl-BPS、triCl-BPS、tetraCl-BPS)の排水中濃度、底質中濃度を継続して調査した。また、魚類中の対象物質を分析するための前処理方法を検討し、採水地点で捕獲した魚類を試料として分析した。 排水試料を分析した結果、BPSは全試料(n=8)から検出され、平均53.6 μg/Lの濃度であった。また、BPAも全ての試料から検出され、平均2.6 μg/Lの濃度であった。塩素置換BPSでは、monoCl-BPSは平均1.4 μg/L、diCl-BPSは平均2.2 μg/L、triCl-BPSは平均2.7 μg/L、tetraCl-BPSは平均14.2 μg/Lの濃度であった。BPSと塩素置換BPSは、当該排水の調査を開始した2019年から引き続き検出されており、海域に放流されていることが明らかにされた。 排水の吐出口周辺の底質をエクマンバージ採泥器で採取し、本研究で構築された前処理・分析法を用いて対象物質を分析した。その結果、BPSとBPAは全ての底質試料(n=6)から検出され、それぞれの平均濃度は3.1μg/g、1.6 μg/gでった。また、tetraCl-BPSは定量下限値以下、その他の塩素置換BPSは検出限界値以下であった。 排水の吐出口周辺で、釣りによってクサフグ1試料、クロダイ2試料を捕獲し、魚類試料とした。試料をホモジナイズし、サロゲート物質としてBPS-d8とBPA-d16を添加した後、超音波抽出‐液液抽出‐固相抽出によって抽出・クリーンアップし、誘導体化後、GC-MS/SIMで分析した。その結果、当該試料からは対象物質は検出されなかった。
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