2019 Fiscal Year Research-status Report
全球スケールにおける反応性窒素影響の統合的把握と将来予測
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18K11672
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
仁科 一哉 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境研究センター, 主任研究員 (60637776)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 反応性窒素 / プラネタリーバウンダリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、現状の全球規模における包括的な反応性窒素影響の把握、とくに反応性窒素による複数リスクを有するホットスポットの特定のためにデータベースの作成と、それを利用した機械学習による潜在リスクの把握を行う事を目的としている。これまでの主な進捗は以下のとおりである。
(1)反応性窒素リスク項目のうち、水質(河川水、地下水)、大気質(NOx)の時空間情報の収集を行った。水質、大気質については科学論文に加え、世界規模のデータベースや、各国政府、自治体の公開データを収集し、1960年代から現在まで、それぞれ数万件を超えるデータを収集した。 (2)上記の反応性窒素リスクのドライバーとなる項目に加え、有害藻類繁茂や人間、家畜の健康被害に関する項目(ぜんそく罹患数、人間、家畜のメトヘモグロビン血症の症例)についてデータベースの整備を進めた。 (3)説明変数となる全球規模の環境データの収集を行い、作成したデータベースの地下水質を用いてMaxEntを実行するコードを作成し、予備解析を行った。予備解析をもとに国内外の共同研究者との議論を行った。国際プロジェクト"国際窒素管理システム (INMS)"に関連する会議を利用し、中国の大学、中国科学院の研究者、オーストリアのIIASAの研究者(本研究費で招聘)およびアメリカEPAの研究者との情報交換を行うとともに、協力関係を構築してきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画二年目である2019年度は、データベースの作成について更に推し進め、複数のリスク項目についての収集が進んだ。水質や大気質のデータについては、昨年度からデータ数を更に増やした。また反応性窒素リスクのエンドポイントとなる、健康被害や富栄養化の指標である藻類繁茂のデータベースも作成した。またデータベースの充実のため、リサーチアシスタントや共同研究者の協力を得て中国語の文献収集も薦めることができた。計画通り、最終年度の解析について十分なデータベースの整備が出来たと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は国際窒素会議等、重要な国際会議での発表と、それにともなった海外の共同研究者との打ち合わせを予定していたが、コロナによる影響に加え、申請者が上半期の半年間、研究職を外れて企画業務に専念することになったため、大幅な計画変更を余儀なくされている。本課題の補助事業期間を延長を検討している。
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