2020 Fiscal Year Annual Research Report
Environmental behaviors of microplastics in surface water of rivers and bays and predictions of future concentrations after the usage of alternatives of plastics
Project/Area Number |
18K11683
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
亀田 豊 千葉工業大学, 創造工学部, 准教授 (60397081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 豊 名桜大学, 国際学部, 教授 (20441959)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マイクロプラスチック / 微細マイクロプラスチック / 顕微FTIR / 河川 / 粒度分布 / 汚染特性 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
開発した「顕微FTIRを用いた20μm以上のマイクロプラスチック(MPs)調査分析手法」を用いて、多摩川における晴天時の存在特性を明らかにし、令和元年度の鶴見川調査結果よりも10倍程度濃度が高いことや、奥多摩の最上流部でもMPsが検出されることが明らかとなった。さらに、雨天時における河川水中MPs濃度の変化も調査し、晴天時の10倍程度まで河川水中濃度が上昇すること、ポリマーによって陸域から河川への流入特性が異なることが明らかとなった。 一方、関東地方の複数の下水処理場における下水中MPs濃度調査結果を用いて、18種類のMPs合計濃度、ポリエチレンテレフタラート(PET)の一人当たりの年間排出量推定値を利用して、多摩川河川水中の下水由来のそれらの流域における濃度分布をAIST-SHANELを用いてシミュレーションするとともに、その河川水中に対する寄与率を計算した。その結果、MPs 合計濃度では実測値に比較して予測値は1/10程度と低く、下水処理場以外の発生源の影響が大きいことが示唆された。一方、PETでは予測値と実測値がおおむね一致したことから、多摩川河川水中のPET-MPsは、下水処理場の影響が大きいことが推定された。 本研究課題では、従来調査測定が困難であった20μm以上の微細のMPsの調査分析手法を確立し、さらに、その手法を用いて関東地方の代表的な河川である多摩川及び鶴見川河川水中のMPsの存在特性を18種類のポリマー別に濃度及び粒度分布の観点から明らかにした。世界的にも微細なMPsの存在特性はいまだに未解明であり、本研究成果は世界的に学術的及びMPs削減施策の立案に多大な貢献を示すと期待される。また、この手法を利用した海水、水道水、下水など様々な環境媒体中の微細MPs測定への応用も期待される。
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Research Products
(12 results)