2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of on-site monitoring method for prevention of Legionella infection
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18K11688
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Research Institution | Osaka Institute of Public Health |
Principal Investigator |
山口 進康 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 課長 (20252702)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オンサイト・モニタリング / マイクロ流路デバイス / ポータブル・システム / 蛍光染色 / 危害微生物 / 感染予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
独自に研究を進めているマイクロ流路デバイス(幅・深さ数十マイクロメートルの微小流路を刻んだ小型樹脂製デバイス)および細菌数測定用ポータブル・システムを用いて、レジオネラ等の病原細菌をon-siteでモニタリングするための研究を進め、以下の成果を得た。 1)ポータブル・マイクロ流路システムを用いてレジオネラ数を高精度に測定するために、画像解析アルゴリズムを検討し、自動細菌数測定ソフトウェアを作成した。本ソフトウェアにより、従来は検出困難であった細菌が検出可能となり、測定精度が向上した。 2)従来の試料濃縮法では遠心操作を行っており、on-siteでの実施に課題があった。そこで、on-siteで実施可能、かつ、試料中の標的とする細菌の回収率向上が可能な方法を検討した結果、化学物質と免疫磁気ビーズを併用した濃縮法により、検出感度を100倍向上させることができた。 3)浴槽水中のレジオネラのモニタリングを行うために、モデル系を用いた研究を進めた。本モデル系は循環式浴槽を模し、水槽、循環ポンプ、ヒーター及びろ過器モデル(礫層)から構成した。 4)検討を進めているon-site モニタリング法を一般化するための検討を進めた。マルチカラー解析をふまえて緑色励起光を使用できるよう、光源を検討した。また、携行性の向上のため、小型化の検討を行った。さらに、蛍光抗体の調製が難しい細菌種をモニタリング対象とするために、核酸を用いた特異的な標識法を検討した。 5)これらの研究成果をふまえて、河川水中の全菌数及び生菌数をon-siteで測定するための方法を開発し、論文で発表した。また、野菜や食肉中の腸管出血性大腸菌O157数やサルモネラ数をポータブル・システムで測定するための方法を作成し、論文で発表した。さらに、複数種の細菌をマイクロ流路デバイスを用いて同時に定量するための方法を検討し、論文を投稿した。
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