2019 Fiscal Year Research-status Report
水平電極式動電法による除染のためのフレキシブルイオン吸着電極の開発
Project/Area Number |
18K11690
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
カビール ムハムドゥル 秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (10422164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 昇 東北公益文科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60006674)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | FEM-EK法 / 動電学的処理 / ゼオライト / Cs濃度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,水平電極式動電(FEM-EK)法についてCsの除去を検討している. 2019年度の成果として,非放射性Csの除去および作製した電極によるCsの吸着の確認できた.土壌の誘電特性から誘電緩和現象を利用し,非放射性Csの濃度計測について成功した.2019年度には,福島大学および兼ねてから研究協力関係にあった三和テッキ株式会社と共同研究として,FEM-EK法による放射性Cs土壌の除染を検討した. Cs吸着電極およびFEM-EK法によるCs除去:くん炭や活性炭,ゼオライト等を用いた電極作製に成功した.この電極を用いて,非放射性Cs汚染土上にFEM-EK法によるCs除去の実験を行った.実験後の土壌,電極のCs濃度の分析を外部の資料分析機関に依頼し,Cs濃度等を調べてもらった.分析結果によると,Csが土壌中から電極付近の縦方向移動していることがわかる.また,電極にもCsが吸着され,当初の狙い通りの成果があったといえる. FEM-EK法による森林での除染結果:市販の腐葉土を用いて,福島周辺の森林の土壌を模擬し,非放射性Csで人工汚染させた後の腐葉土にFEM-EK法を実施した.事件前後の腐葉土を外部分析機関にて分析したもらった結果,Csが陰極付近に移動したことが明らかになった.この結果から,山林などの除染にFEM-EK法が適していることが言える. 放射性Csの除染について:福島大学で,放射性土壌を用いて,FEM-EK法による除染効果を調べている最中である.数回の実験では,自然環境下でもFEM-EK法によるCsや重金属の除去が可能であるとわかった. 非放射性Cs濃度計測による研究:Cs除染の研究の場合は非放射性Csを用いることもあるが,非放射性Csの定量評価は難しく,簡単な計測方法が求められている.汚染土壌の誘電特性を計測し,計測結果を用いて,誘電緩和現象を考慮した解析を行った.その結果,非放射性Cs濃度計測の新たな手法を導くことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
作製したイオン吸着フレキシブル電極を用いて非放射性Cs汚染土でのFEM-EK法によるCsの除去を検討した.その結果,ラボ・スケールにて汚染土壌より非放射性Csの除去が確認できた.また,陰極にはCsが吸着されることも確認できている.また,Csのみではく,FEM-EK法による汚染土壌から他の重金属の除去も有効的であると確認できた.Cs汚染の山林等の土壌を,腐葉土を用いて模擬し,非放射性Csによる人工汚染腐葉土にもFEM-EK法によるCsの除去に成功した.掘削による汚染土壌の除去が難しいところ(山林など)の除染が難しいところにもFEM-EK法に除染が効果的であると期待できる.そして,福島での放射性汚染土壌を用いてFEM-EK法の効果を確認もできた.イオン吸着電極による放射性汚染土壌でのFEM-EK法の実験も終わり,コロナウイルス関係ではその分析を行うことができなかったが,ラボ・スケールでの実験結果から,放射性汚染土壌の場合でも期待できると確信している. 非放射性Cs汚染土壌をペレット状に試料を作製し,その電気・誘電特性から誘電緩和現象を利用して非放射性Cs濃度の算出法を提案した.
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Strategy for Future Research Activity |
放射性土壌を用いたFEM-EK法試験を継続できればと思っているが,現状では移動や実験が難しい場合は,ある程度実験が終了したこともあり,いままでの結果をもとに論文執筆をがんばりたい.国内外の学会での発表も難しいと思われるいま,論文執筆やオンライン会議を利用し,可能な限り国内外でFEM-EK法の効果・実績を公表できればと思っている.
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Causes of Carryover |
旅費の一部分の未使用のため次年度使用額が発生した。
物品費(消耗費)に充てる予定である。
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Remarks |
(1)研究成果等を常に公開している (2)研究者が所属しているコースのHPである。
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