2020 Fiscal Year Annual Research Report
Application of food wastes to the phytoremediation of halophytic soils
Project/Area Number |
18K11693
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
秦野 賢一 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (20282410)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 植物除塩 / 塩害 / 食品廃棄物 / 抗酸化活性 / メラノイジン / 廃糖蜜 / ファイトレメデーション / 耐塩性植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の研究実績として、抗酸化活性があるメラノイジン類似生成物(MLP)の植物除塩に対する効果を総合的に考察した。昨年度の実験条件と同様に、280 mMを最大塩濃度に設定してNaCl水溶液と実際の塩害を想定して人工海水を準備した。そして、MLPを培地に添加することにより塩に対する実験植物の耐性がどのような影響を受けるのか考慮するために、植物体中のミネラル濃度を測定する以外に各種生化学的指標も同時に測定した。ミネラルに関しては、Na,K,Mg,Ca濃度を誘導結合プラズマ発光分析により測定した。生化学的指標に関しては、pH,糖度,電気伝導度,硝酸イオン,スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)活性を測定した.園芸アブラナを用いた植物除塩実験の結果として、人工海水を加えた条件ではMLPの添加量とは無関係に、NaCl添加条件と比較してMgのみが二倍ほど多く取り込まれるという興味深い結果を示した。NaCl及び人工海水 280 mM添加条件において、MLPを添加しない条件では全ての植物体が枯死した。収穫した植物体の各種生化学的指標の中で、導電率,糖度,硝酸イオン濃度では塩やMLP添加による有意な増減は見られなかった一方で、pH値は塩濃度140 mMの条件ではMLP添加によって有意に低下することがわかった。また、MLP添加条件ではSOD活性が対照実験と比べて有意に増加したことから、MLPを添加することにより植物はSODの発現量を増加させて塩ストレスに順応させる効果があることがわかった。以上のことから、培地へのMLP添加はアブラナを用いた植物除塩実験に有効であることが示唆された。
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