2018 Fiscal Year Research-status Report
住居内騒音暴露量軽減を目的とした換気性能を有する環境配慮型防音窓の開発
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18K11703
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| Research Institution | National Institute of Technology, Kumamoto College |
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Principal Investigator |
西村 壮平 熊本高等専門学校, 機械知能システム工学科, 准教授 (00442484)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 音波伝搬 / 共振周波数 / 高次波音圧成分 / CFD解析 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は，東南アジア諸国で深刻な社会問題となっている道路交通騒音に対して，居住環境改善によるQOLの向上を目的とした「換気性能を有する環境配慮型防音窓の開発」を目的としている．この防音窓は換気性能を有しつつ，かつ電力を使わず騒音を低減できるという点に特徴があり，主に”防音ユニット”と称した筐体がこの役割を担っている．上記トレードオフの関係にある防音と換気の最適化を実現するため，防音ユニット内に生じる平面波・高調波音圧成分の発生メカニズムを明らかにし，両者の共振の発生が最小となるユニット構造の確立を目指して研究を実施している．遮音性能の目標値を20dB～30dBに定め，この達成のため，これまでの研究の単一ユニットを複数個組み合わせた防音ユニットを考案した．
初年度は，防音ユニットの音圧成分の低減に関する関係式を得るため，単一ユニットの四端子定数を波動方程式より明らかにした．同時に，COMSOL Multiphysicsを用いてユニット内部における音圧分布のシミュレーションを行った．次に，得られた理論式およびシミュレーション結果の妥当性を検証するために実験を行い，両者の有効性の確認を行った．また，得られた理論式より，平面波・高調波音圧成分の発生メカニズムを明らかにした．
換気性能については，防音ユニット内部の空気の流れについて，CFDによる解析とPIVシステムを用いた測定を行った．解析と実験結果を比較検証し，CFD解析の有効性を示した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
考案した防音ユニット全体の挿入損失ILを得るためには，それぞれの単一ユニットの四端子定数を求め，それらの組み合わせ演算で全体の四端子定数を求める必要がある．初年度は入出口を直交位置に配置した単一ユニットの四端子定数を波動方程式より導き，更に実験，および音響シミュレーションを行いその妥当性を検証した．換気性能についてはCFD解析の有効性の検証のため，PIVシステムを用いた測定結果との比較を行った．研究自体は予定通り順調に進捗しており，今後も研究計画に沿いながら進めて行く予定である．
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| Strategy for Future Research Activity |
考案した防音ユニットの音圧成分の低減に関する関係式を得るため，入出口を対向位置に配置したもう一方の単一ユニットの四端子定数を理論的に求めると共に，実験と音響シミュレーションによる検証を行う．次に，防音ユニットの挿入損失ILの導出，および検証を行い，得られた式より減音効果が最大となるユニットの構造，および寸法・開口位置・面積等のパラメータの算出を行う．同時に換気シミュレーションを行い，トレードオフの関係にある防音と換気の両者を両立させるためのユニット寸法および開口箇所の最適化を行う予定である．
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| Causes of Carryover |
設備備品費で計上していたリアルタイム音響振動解析システム，および増設用入力ユニットが高額であり，購入を見送ったため次年度使用額が生じている．また，国際学会への参加を見送った事で同様に次年度使用額が生じている．
代替品として購入した音響シミュレーションソフトウェアで得られた結果の検証のためにも，リアルタイム音響振動解析システムは必要であり，翌年度請求分との合計額において別品を購入予定である．また，出張費においては2019年度に2件の国際学会発表を予定している．
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