2022 Fiscal Year Research-status Report
太陽光パネルの湿式法によるガラス分離と有害金属除去を目的とした高分子抽出剤の開発
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18K11722
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Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
Principal Investigator |
岩熊 美奈子 都城工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (00342593)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 太陽光パネル / 溶媒抽出 / レアメタル回収 |
Outline of Annual Research Achievements |
太陽光パネルは国の基本方針である「エネルギー基本計画」に基づき各地で設置されている。石油の枯渇が懸念される現在、太陽光を用いて発電を行う太陽光発電はソースが太陽光であり自然のエネルギーを電気に変換する効率が良い技術である。欧米では太陽光パネルの使用の歴史は古く、ドイツでは原子力発電の利用停止に伴い、太陽光発電の利用率がとても高い。我が国日本でも太陽光パネルは設置のしやすさや、市町村からの補助額の高さより多くの市町村で設置され、一般住宅の屋根のみでなく山間部や市街地の空きスペースにも設置されている。カバーガラスとCIGS膜は再利用の対象としているためなるべく価値を落とさずに取り外したい。そこで、ガラスとCIGS膜の間にあるEVA接着剤を取り除くための溶剤選択を行っている。 本研究の最大の目的である新規な高分子型抽出剤の合成を行う。高分子型抽出剤の母体構造例を図2に示す。官能基の選択は本研究の肝となるため官能基として酸素原子(カルボン酸、エーテルなど)、窒素原子(アミンなど)、リン酸等を数種類検討し、最適化を図る。CIGS(銅、インジウム、ガリウム、セレン)膜に含まれるセレンと不純物の亜鉛、鉛が分離できるかについて詳細に検討する。これらの金属は半金属(セレン)や両性金属(亜鉛および鉛)酸やアルカリの条件によって金属は水相内の配位形態によって、その抽出挙動を変えるため、塩を添加することで抽出挙動が大きく変化することが考えられる。そのため、添加塩を変化させた溶液から、抽出選択性の比較を行う。また、選択的に抽出された金属の抽出平衡を求めることで、抽出化学種を特定することができ、高分子型抽出剤がいかにして金属を抽出しているかについての知見を得ることが出来る。また、高分子型抽出剤の金属との反応機構を検討し、反応におけるメカニズムの知見を得る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍における学校閉鎖が昨年度も引き続き行われたこと、および、学生が集合することに対して学校側の措置が厳しかったため大幅に研究遂行が遅れている
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Strategy for Future Research Activity |
今年度を目途に、太陽光パネルからの接着剤剥離の実験と適する抽出剤の検討を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍における休講等や、学生の実験制限により研究が進んでおらず、繰り越しをして令和5年度も引き続き研究を継続することになったため
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