2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K11732
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
田中 章 東京都市大学, 環境学部, 教授 (30350234)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生物多様性オフセット / 生物多様性分野定量評価 / 生物多様性バンキング / ノーネットロス / Eco-DRR / 流域バンキング / 地域循環共生圏 / ミティゲーションヒエラルキー |
Outline of Annual Research Achievements |
5.研究実績の概要 2021年度はコロナ禍により海外活動はできず、①災害防止とミティゲーションの関係性の整理、②日本の自然環境保全に関する助成制度の整理、③里山保全活動に対する定量評価手法の在り方の整理、④米国のIn-lieu feeプログラムのクレジット料金に関する調査、⑤東アジア地域における生物多様性オフセット制度の動向調査を行った。 ①災害リスクの緩和方策が環境アセスメントにおけるミティゲーションヒエラルキーと類似するものであり、日本版生物多様性オフセットにおける観点の一つとなることが示唆された。②日本の自然環境保全に関する助成制度は多様な主体との連携を前提とした制度に変容しつつあることが明らかとなった。③里山保全活動の成果評価における利用では評価に用いるモデルを活動向けに改良する必要があることが示唆された。④米国のIn-lieu feeプログラムでは生物多様性バンキングにおいて存在が確認できなかった特有の運用方法が存在することが明らかとなった。⑤東アジア地域では既知の生物多様性オフセット制度に加えて7か国で制度が確認され、東アジア地域において生物多様性オフセットの制度化が進んでいることが示唆された。 実証実験地である千葉県酒々井町において日本初となる生物多様性バンクである椿TC里山バンクが設立され、今後当地における目論見書を作成しステークホルダーへのインタビューを行うことを予定している。 沿岸域における日本版生物多様性オフセットの在り方を検討するにあたり、静岡県下田市においてアカウミガメ産卵地保全に関する普及啓発ポスターを静岡県立下田高等学校1年生と協働で伊豆急下田駅、下田海中水族館を掲出した。 都市域における日本版生物多様性オフセットの在り方を検討するにあたり、横浜市中区の元町百段公園においてバラ類の無農薬栽培を行い植栽管理と生長状況のモニタリングを継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響で海外状況に関する現地調査と発表を行うことができず、国内における対面調査に制限を受けたという意味で「やや遅れている」とした。但し、その分、前述の国内調査を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
酒々井町の里山バンクの実証実験において目論見書(Prospectus)を作成し関係するステークホルダーへのインタビューを行う予定である。Prospectusの作成においては生物多様性クレジットの生成方法についても提案を行う予定である。
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Causes of Carryover |
IAIA22において対面で発表を行う予定であったが学内ルールの関係で参加が不可能となったため。 次年度の国内調査ではProspectusの作成とそれに関するステークホルダーへのインタビューを行う。
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