2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K11732
|
Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
田中 章 東京都市大学, 環境学部, 教授 (30350234)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 生物多様性オフセット / 生物多様性バンキング / 国際開発援助 / ノーネットロス / Eco-DRR / OECM / 生物多様性配慮型都市緑化 / バラ無農薬栽培 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、①諸外国における生物多様性オフセットやノーネットロスに関する研究、②椿TC里山バンク(千葉県酒々井町)における日本版生物多様性バンクに関連する研究、③元町百段公園(神奈川県横浜市)における都市型生物多様性バンクに関する研究を行った。 ①については米国In-lieu feeプログラムが個別の生物多様性オフセットではなくまとまった自然環境を保全することに重点が置かれていること、中国が主導するアジアインフラ投資銀行において生物多様性オフセットに関する規定が存在するが定量評価に課題があること、中国の湿地における生物多様性オフセットに関してノーネットロスを達成できておらず追加的に自然復元を行っていることなどが明らかとなった。また、企業による生物多様性ノーネットロスについても開発と保全の1対1での対応が課題であることが明らかとなった。 ②についてはまとまった自然環境を守ることで土砂災害防止に寄与すること、日本におけるOECM(Other Effective area-based Conservation Measures)はIn-lieu feeプログラムのように民間が自然環境を確保することにつながる可能性がある一方で土地の永続的な確保に課題があることが明らかとなった。 ③については風通しを管理することで病虫害を予防できることが明らかとなった。また、横浜百段公園愛護会と共同で東急株式会社みど*リンクアクション活動団体に指定されるなど、都市緑化としての無農薬栽培の認知度を向上することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響で、対面での勉強会の実施が困難であったが、実際の事例を用いたノーネットロスの試算が行えたためおおむね順調に進展しているとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
酒々井町の里山バンクの実証実験において目論見書(Prospectus)を作成し関係するステークホルダーへのインタビューを行う予定である。Prospectusの作成においては生物多様性クレジットの生成方法についても実際の開発事業を例にノーネットロスの定義やその計算方法について提案を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
IAIA22において対面で発表を行う予定であったが学内ルールの関係で参加が不可能となったため。 IAIA23に出席・発表を行い、生物多様性オフセットに関する国際情勢等の収集を行う予定である。
|
Research Products
(20 results)