2022 Fiscal Year Research-status Report
The Restoration of Watershed Ecosystem based on Habitat Recovery of Migration Fish using Environmental DNA
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18K11734
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
亀山 哲 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 主幹研究員 (80332237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今藤 夏子 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 主任研究員 (10414369)
松崎 慎一郎 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 主任研究員 (40548773)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 絶滅危惧種 / ニホンウナギ / 環境DNA / GIS / 生息地評価 / 地域循環圏 / 流域圏 / 自然共生 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、コロナ禍を配慮し利根川流域・房総半島においてDNAデータを収集した。分析結果を基に、特にニホンウナギの在/不在を判断しGISを用いた空間結合を行った。最終的に対象地を全国に拡大し、ニホンウナギを含む絶滅危惧種淡水魚類の生息地評価デジタル地図を作製した。GISでは、流域基盤データ・河川横断構造物等の拡充を進め、産地市場別水揚げ情報・海面漁業生産統計調査を追加整備し、全国沿岸域の水産資源状況をより詳細に定量化した。主な研究成果は以下のとおりである。 1. 亀山哲(2023)環境DNA分析とウナギの生息地解析,河出書房新社,中尾勘悟著、久保正敏編著,有明海のウナギは語る、第2章「ニホンウナギの生態」2-4,pp.28-30 2. 亀山哲(2023)自然共生社会の実現のための「運ぶもの」と「運ばないもの」,河出書房新社,中尾勘悟著、久保正敏編著,有明海のウナギは語る、第9章「森里海の連環を考える」コラム,pp.237-238 3. T. Kizuka, H. Mikami, S. Kameyama, S. Ono, H. Suzuki (2023) Hydrological environment affects the nutrient retention and runoff function of naturally re-wetted agricultural peatland in lowland river floodplain, Science of the Total Environment, Vol.857,3, 159483 3. S. Kameyama, N. Kondo, S. Matsuzaki, N. Nakajima (2022) Evaluation of Suitable Habitat for Japanese eel by Integration eDNA Analysis and GIS in Japan, INTECOL2022, Geneva, Swiss
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年5月現在までの進捗状況の判断については既存調査資料の分析は「おおむね順調に進展している」である。しかし前年度はコロナ感染症拡大が懸念された為、調査期間及び調査範囲の変更を余儀なくされた。しかし調査期間全般を通して天候に恵まれ、調査範囲内においては順調に各対象河川の環境DNA分析資料を収集することが出来た。 2023以降では、postコロナという状況を活かし、残りの対象範囲を中心に同様の現地調査を実施する見通してある。また同時並行として進めている流域ビッグデータの構築においては、特に水産フードシステムに関する広域データの拡充を行う予定であり、今年2023年前半を目途に完成させる予定である。 成果の発信については、現状を継続し研究成果の一部を他の研究成果と統合してニホンウナギを含む絶滅危惧種の生息地保全と資源量の回復に資する研究成果を目指す。また同時に研究成果のアウトリーチ活動として研究所外の各研究機関に出向き、講義や講演を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本科研費による研究成果と国立環境研究所プロジェクト「持続可能な社会実現のための地域共創型課題解決方策の構築と支援」また外部資金課題(中央大学)との整合性を高め、主に全国の主要河川(主要一級河川と瀬戸内海流入流域等)においてeDNAデータ及びGISデータを拡充するとともに、生息地評価を継続する予定である。 また研究最終年度に当たる2023年度においては特河口域および河川横断構造物前後のeDNA調査と空間情報解析を融合化する形で生息環境の時空間的変容について要因の解明を纏め研究成果の発信に繋げる方針である。 更に研究を高度化し、環境DNA分析により得られるウナギを含む絶滅危惧淡水魚類の生息地情報と流域圏別の水質・分断状況・土地利用等を統合的に解析すると共に、より具体的な保全施策の提言を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ過の影響により、環境DNAのサンプリング調査計画が変更になり、一部の調査期間が短縮された為。
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Research Products
(12 results)