2019 Fiscal Year Research-status Report
Creation of novel direct alchol fuel cell using biopolymer chitin and Determination of its optimal operating condition
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18K11741
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| Research Institution | Setsunan University |
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Principal Investigator |
松尾 康光 摂南大学, 理工学部, 教授 (20245294)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 燃料電池 / 生体由来物質 / プロトン伝導体 / 多糖類 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究はこれまでさまざまな問題により市場導入が難しいダイレクトアルコール型燃料電池を、アルコール透過性が低いと考えられる生体由来物質キチンおよびキトサンを燃料電池電解質へ利用し、新規DAFCを開発しようとする研究である。本年度の研究により、キチン、キトサン単体におけるアルコール透過性は極めて低く、これまでに利用されている電解質に比べてはるかに高いアルコール非透過性をもつ電解質が作成できることがわかった。また、燃料電池の燃料濃度と発電特性の関係を調べ、エタノール濃度 25% のときに最大出力となることを明らかにした。燃料電池のエタノール最適濃度が25%である結果は、ダイレクトエタノール型燃料電池（DEFC）の燃料極での反応においてエタノール1分子につき 3 個の水分子を必要とすることを考慮すると、キチンおよびキトサン電解質を使用することにより、燃料使用効率に対するロスがほぼゼロにすることが可能であることを示唆している。さらに、キチンとキトサンを混合した混晶の作成を試み、その作成方法を確立した。キチン・キトサン混晶を燃料電池電解質に利用し、その特性評価を行った結果、 混合膜に含まれるキチンの混合比が0.25および0.6付近において、DEFC の出力密度が上昇することがわかった。この結果は、キチン・キトサン混晶を電解質とした DEFC において、燃料電池の出力を向上する最適混合比が存在することを意味している。現在では、メタノール燃料による実験を実施するとともに、キチン・キトサン混晶を電解質としたDEFCの出力密度が混合比 0.25 と 0.6 付近で向上する原因をプロトン伝導性とエタノール透過性の両方から調べている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の当初の計画では、キチンおよびキトサン単体のダイレクトアルコール型燃料電池について、アルコール透過性およびその発電特性を調べ、さらにキチンとキトサンの混晶を作成に着手することであったが、キチンおよびキトサン単体のアルコール透過性と発電特性の評価は終了するとともに、キチン・キトサンの混晶の作成方法も確立し、現在では、すでにキチン・キトサンの混晶を電解質として利用したダイレクトエタノール型燃料電池の出力特性の評価を実施している。このように、本研究は当初の計画以上に進展している状況である。さらに、ダイレクトエタノール型燃料電池においては、電解質となる生体由来物質をキチン・キトサンの混晶からセルロースを含む多糖類全体に広げて研究を実施している。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は本研究の当初の予定通り、キチン・キトサンの混晶を電解質としたダイレクトエタノール型燃料電池（DEFC）およびダイレクトメタノール型燃料電池 (DMFC) に対する出力密度について詳しく調べ、DEFCにおいて観測されたキチン混合比が0.25と0.6付近の出力密度の向上の原因をプロトン伝導性とアルコール透過性の両面から調べる。これにより、当初計画の最終目標であるキチン・キトサン混合膜を電解質に使用したダイレクトアルコール型バイオ燃料電池の最適動作条件を決定するとともに、最適動作条件を導く原因についても明らかにする予定である。また、キチン・キトサンの混晶だけにこだわらず、他の多糖類との混晶も試み、DEFC, DMFC の出力特性が最良となる条件も探索する予定である。
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| Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、本年度は同じ試料で数多くの実験を行うことができたため、物品費（試薬）使用が少なくなったが、来年度は多くの多糖類の混晶の試料作成と測定を実施するため、これらの試薬・材料費および測定費に使用する予定である。
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Research Products
(7 results)
