2021 Fiscal Year Research-status Report
自治体エネルギー政策を支える中間支援組織の体制整備と機能強化に関する研究
Project/Area Number |
18K11746
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
平岡 俊一 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (70567990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
的場 信敬 龍谷大学, 政策学部, 教授 (10532616)
木原 浩貴 立命館大学, 産業社会学部, 授業担当講師 (50815355)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中間支援組織 / エネルギー・エージェンシー / 伴走支援 / 自治体エネルギー政策 / 知的・人的基盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、基礎自治体におけるエネルギー政策に対して調査研究、助言、教育などの支援を行う地域密着型の「中間支援組織」に焦点を当て、日本での体制整備と機能強化のあり方について、同組織の設立等が先行している欧州と途上段階の国内での調査をもとに考察を行っている。 2021年度も前年度に続き、新型コロナウイルスの影響により、予定していた国内、欧州での現地訪問形式のインタビュー調査を実施することができなかった。そこで、代替措置として国内の同組織関係者を対象にしたオンライン形式のインタビュー調査、今後の体制・組織強化のあり方に関する意見交換などを実施した。その他、中間支援組織(京都府地球温暖化防止活動推進センター)を対象にした参与観察調査については継続して実施している。 これらの調査の結果、以下のような知見を把握することができた。①日本国内でも脱炭素化に向けた動きの活発化に伴い、地域・自治体における知的・人的基盤の脆弱性を補完する存在として中間支援組織に対する注目が高まるようになった。②しかし、都道府県、基礎自治体の財政難などにより、これまで事例調査を実施してきたオーストリアなど欧州各国のように、政府系セクターが主導して同組織を設立・整備していくことは困難であると考えられる。③現時点で日本では、少数の民間系セクターによって中間支援活動が担われている状況にある。④自治体エネルギー政策分野では以上のような状況にあるが、近年、基礎自治体レベルを各種地域づくり活動を支援することを目的にした中間支援組織が各地で設立されるようになっており、そうした傾向についても注目していく必要がある。 以上の知見を整理する形で書籍・論文等を執筆し、成果を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度についても、新型コロナウィルスの影響により、予定していた国内ならびに欧州の中間支援組織を対象にした訪問形式のインタビュー調査はほとんど実施することができなかった。代替措置として、国内の同組織関係者を対象にしたオンライン形式のインタビュー調査、今後の体制・組織強化のあり方に関する意見交換などを実施したが、得られた知見は当初の見込みよりも少なく、当初の予定よりも大幅に遅れている状況にある。 一方で研究成果の書籍・論文としての取りまとめについては予定通り実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、日本国内で活動する関連分野の中間支援組織を対象にした事例調査ならびに調査結果のとりまとめに取り組む予定である。可能であれば年度中盤から後半には現地訪問形式の調査を行うことを予定しているが、新型コロナウイルスの感染拡大が収束していなければリモート形式の調査に切り替える。加えて、京都府地球温暖化防止活動推進センターならびに同団体が深く関与する形で新たに設立された地域新電力会社「たんたんエナジー株式会社」を対象にした参与観察調査も継続して実施する。 欧州の中間支援組織に関する事例調査については新型コロナウイルスの影響により実施の目途が立っていない状況にあるが、今後の状況の推移を踏まえながら慎重に検討し、可能であれば年度後半に実施したいと考えている。 加えて、日本における中間支援組織の整備・強化策について、現場の実務家との意見交換を通じて検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により国内ならびに欧州で実施を予定していた現地訪問形式の調査を実施することができず、関連する旅費を使用しなかったため次年度使用額が生じた。 新型コロナウイルスの感染状況にもよるが、これまで実施できていない上記調査を実施するための旅費として使用する予定である。万が一、感染状況が改善せず訪問調査が実施できない場合は、オンライン形式のインタビュー調査など代替措置の実施のための費用に充てることを検討する。
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Research Products
(9 results)