2018 Fiscal Year Research-status Report
Consumers' participation mechanism in co-partnership associations of organic agricultural products-Comparative analysis between "Teikei" in Japan and Food-collectives in the Netherlands
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18K11760
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
根本 志保子 日本大学, 経済学部, 教授 (70385988)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 倫理的消費 / 有機農産物 / 産消提携運動 / 日本 / オランダ |
Outline of Annual Research Achievements |
消費者自身が市場での消費を通じて環境や社会公正に配慮する「倫理的消費」の可能性が 注目されている。その実践の1つに、環境や生産者利益に配慮した有機農産物を消費者グル ープが直接買い入れる「産消提携」がある。これは生産者と消費者の直接的な提携組織による環境保全型流通システムで、日本は1970年代から、欧米では主に1980年代以降、アメリカ、 フランス、イタリア、オランダなど各国で小規模の組織が設立され、現在まで存続している。本研究は、社会公正の実現や地域経済や環境保全への配慮などの倫理性を、消費という経済行為に埋め込む方法の考察を目的とし、日本およびオランダの有機農産物の産消提携グループ(消費者が生産・流通に直接関与する会員制の環境保全型農産物流通システム)の比較および参加消費者から収集したデータの分析するものである。 日本の産消提携との比較対象としてオランダの産消提携グループを選択した主な理由は、同国での認証制度の発展、また多くの自然食品店や有機農産物を扱うチェーン店型のスーパーが存在するにもかかわらず、1990年代以降、多くの産消提携型のアソシエーションが設立され拡大していること、またその規模や運営方法が1970年代における日本の初年度期の産消提携に似ていることなどである。 これにより、①グループへの参加理由、②各グループのルールや活動とフリーライド問題の関連、③地域農業支援や生態系保全を促進する方法としての有効性などを明らかにし、産消提携運動のような小規模会員制でかつ生産者の「顔の見えるアソシエーション型」と「認証制度を利用した市場型」を比較し、倫理的消費促進のための示唆を得る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は、①日本および欧州の有機農業運動に関する歴史および実践団体に関する文献調査、 ②日本およびオランダの産消提携団体の事業調査 、③日本およびオランダの産消提携団体の消費者への対面式のアンケート調査を開始した。 このうち、日本については、1970年代から続く2つの産消提携団体について、設立の経緯、活動理念と活動実態およびその変遷、日本の有機農業運動史における位置づけなどについて、既存研究、一次資料、運営事務局等へのインタビューなどにより、情報収集をしている過程である。また消費者調査については、2つのうち1つの団体で既に消費者会員への聞き取り調査を開始した。さらに両団体の提携する生産者へのインタビューも既に始め、多角的な情報収集に努めている。 一方、オランダについては、本助成受理前の2017年度に同国で実施した準備調査に続き、2018年度の8月~9月、同国に滞在し、2つの団体の消費者会員に対面式のアンケートおよびインタビューを行った。既に80人ずつ、計160人のデータを収集した。さらに団体の活動運営の方法の調査のため、輸配送の実態、提携する農家へのインタビューなども実施し、こちらも多角的な情報収集に努めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に引き続き、2019年度は日本については、2つの産消提携団体での消費者調査を継続、団体の運営状況、提携農家へのインタビューなども継続する。オランダについても、同じく団体の運営状況、提携農家へのインタビュー調査を継続するほか、同国での有機農業運動の歴史についての文献調査を現地資料の収集などから深める予定である。 2020年度以降は、さらに両国でのデータ収集後にそれらの分析を進め、定量的および定性的情報をもとに、比較分析を予定している。さらにこれらの結果をもとに、①グループへの参加理由、②各グループのルールや活動とフリーライド問題との関係、③地域農業支援や生態系保全を促進する方法としての有効性などを明らかにする。
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Causes of Carryover |
調査の進捗状況は順調であるが、2018年度予算に計上されていた消費者データ入力等の作業を調査後の2019年度以降に延期したこと、現地調査での宿泊費が予定より安く済んだことなどから、直接経費600,000円のうち、44,842円を繰り越した。2019年度は、調査に必要な消耗品購入およびデータ入力委託など、予算消費を計画している。
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Research Products
(2 results)