2019 Fiscal Year Research-status Report
The social consensus formation toward conservation and management of rice terraces in Japan
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18K11763
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
平児 慎太郎 名城大学, 農学部, 准教授 (00391425)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 棚田景観 / 都市農村交流 / 棚田オーナー制度 / テキストマイニング / 環境社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は研究実施の2年目である。 まず、前期は2018年度(2019年1月)に実施した[“棚田の景観”、“棚田で生産されたお米(棚田米)”、“棚田オーナー制度”に対するイメージ(テキスト情報)]のデータを引き続き精査(スクリーニング)した。その後、後期にかけて解析に着手した。このデータは富山県在住者589名を被験者としているが、[“棚田の景観”、“棚田で生産されたお米(棚田米)”、“棚田オーナー制度”に対す るイメージ]について各項目3つずつ、つまりエラーや無効な回答を除去しても最大589名×9個のデータをスクリーニングする必要があり、相当の時間を要した。こちらのデータについては秋以降にようやく計測作業(テキストマイニング手法、特に共起ネットワークの枠組みを適用)に着手したところであり、学会報告に向けてとりまとめ中である。 また、これに関連する作業として、富山県氷見市内の棚田を計3回訪れ、都市農村交流(棚田での農業体験)への参加者(延べ60名)に対してインタビューを実施した他、当集落の区長、市の担当職員へのヒアリングを実施した。上記のアンケート調査で見出された市民の意向等と、地元の実態や思惑とのミスマッチングや違和感を解消することを旨としたが、若干の論点のずれは生じたものの、概ねこうした乖離を理解するに十分な事情の把握や実態のさらなる理解が深まった。きわめて定性的な部分が多いのだが、都市農村交流が農村政策のhot issue。地域振興の取組事例のひとつとして扱われるようになって25年強が経過し、当初は想定していなかった点が顕在化する等、直面する課題やさらに推進する上で克服すべき課題を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前期に2018年度(2019年1月)に実施した[“棚田の景観”、“棚田で生産されたお米(棚田米)”、“棚田オーナー制度”に対す るイメージ(テキスト情報)]のデータを精査(スクリーニング)することに時間を要した。被験者589名×9個のデータをスクリーニングする必要があり、データの客観性を担保する意味からやむを得なかった部分を差し引いても、当初の作業許容量を超えてしまった部分が否めず、結果として[やや遅れている]と判断せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の2020年度は、2019年度までに得られた解析結果を学会報告する。 ただし、昨今の状況において開催が危ぶまれる学会も出始めていること、追加での現地調査の困難さが出始めていることもあり、これらの対応についてはなお検討を要する。
2020年度は本研究の完成年度であるが、調査結果や解析結果を元に都市農村交流(棚田での農業体験)を通じた棚田景観の保全活動の可能性について検証する。具体的には、農業の多面的機能の学習機会や都市農村交流の体験機会に留まらず、環境教育など境界領域の動向やNPO等の社会活動へのcommitも射程に入れ、こうした活動の社会実装の可能性を模索する。
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Causes of Carryover |
極力予算に近い金額での執行を目指したが、年度末に予定したヒアリング調査を実施する必要が生じなかったためにかかる金額の残が生じた。 執行できなかったことで生じたかかる残は、次年度のヒアリング調査(旅費)に充当する。
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