2021 Fiscal Year Annual Research Report
The social consensus formation toward conservation and management of rice terraces in Japan
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18K11763
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
平児 慎太郎 名城大学, 農学部, 准教授 (00391425)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 棚田景観 / 都市農村交流 / 棚田オーナー制度 / テキストマイニング / 環境社会 / 環境教育 / 地域参与型教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は研究実施の4年目である。 2020年度以降のコロナ禍の影響で研究の進捗が全体的に遅れ、最終的な研究出口のあり方の調整を図りつつ、最終年度の取りまとめを行った。 まず、前期は2018年度(2019年1月)に実施したデータに対する計測作業を引き続き実施し、学会投稿に向けた準備作業を行った。大まかな内容については昨年度の本報告の中で記した通りである。ただし、全体を俯瞰すると棚田や棚田景観という環境財に対するイメージであるが故に、保全意識などの高さを示唆するバイアスが散見された。これは、調査票設計上に関わる技術的な問題というよりは、むしろ棚田(環境財)の保全などを扱った場合、回答者が規範的な対応を見せようとする可能性が否めなかった。 また、結果について調査地との折衝を行った、 特に棚田集落に立地する小学校への調査では、所謂オーバーツーリズムの問題が示唆され、棚田を中核とした地域振興や観光化が必ずしも地域に対してプラスに作用しない可能性が確かめられた。 後期は特に棚田百選が見直され、新たにつなぐ棚田遺産が制定された経緯を確認しつつ、今後の棚田を含めた中山間地域農業の保全、管理のあり方についてヒアリング調査を行い、本研究で得られた枠組みの他の事例への適用可能性を探った。
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