2018 Fiscal Year Research-status Report
Information disclosure on social impact of municipalities' renewable energy business - Impact report model
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18K11767
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
川原 尚子 近畿大学, 経営学部, 教授 (40511184)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 社会影響 / 社会影響評価 / インパクト報告 / インパクト評価 / 再生可能エネルギー / パブリックセクター / 持続可能性報告 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究はおおむね順調に進み、おおむね良好な成果を収めることができた。具体的内容として3本の論文を公表できた。まず、論文「社会影響の測定と報告のフレームワークの現状と課題」を7月に公表できた。この研究は、社会影響の概念を巡る議論を整理し、社会影響の測定や報告に関する議論を吟味している。その上で、世界で開発されてきている社会影響の測定や報告のための様々なフレームワークを整理し、その可能性と今後の課題を検討しており、国際的視野に立った文献研究といえる。次に、「パブリックセクターの持続可能性報告の可能性と課題」を8月に公表できた。この研究は、パブリックセクターによる持続可能性報告についての国際的な議論を吟味した文献研究である。パブリックセクターの場合の持続可能性報告では、パブリックセクターの役割の特質を考慮しつつ、管理者の制度的な、政治的な正当性の確保や、内部の業務効率の向上のためではなく、むしろ真に持続可能性への貢献やステークホルダーへの適切な説明責任に焦点を当てて、持続可能性報告を行うことが重要な課題であることを明らかにしている。さらに、「英国のパブリックセクターの持続可能性報告指針とその含意」を11月に公表できた。これは英国の所定のパブリックセクターは年次報告ベースで持続可能性情報を報告することが求められており、そのための特別な指針が毎年公表されていることを紹介しつつ、その指針の内容を吟味し、この指針が影響や将来への役立ちをもたらす可能性があるという含意を検討した研究である。 これらの研究の意義として、社会影響の測定報告の可能性と、パブリックセクターの持続可能性報告の意義や可能性を明らかにしている点である。これらの研究の重要性として、この分野の研究が知る限り国内ではほとんどない中で貴重な示唆を提供している点といえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在まで,本研究課題に関連した内容の論文を複数公表できているため。また、地方自治体が主体的に関わる再生可能エネルギー事業を事例として研究し、論文に取り纏めており、近時、公表予定であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
地方自治体が主体的に関わる再生可能エネルギー事業の情報開示に引き続き焦点を当てて研究していく。今後、本研究課題の解明のために協力をしてくれる研究者の力を借りつつ、地方自治体の再生可能エネルギー事業に関する住民の選好について調査分析していく。
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Causes of Carryover |
現在計画中の実証研究のための費用を計画的に繰り越したため。
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Research Products
(3 results)