2022 Fiscal Year Research-status Report
Reconsideration of the Basque Language Revival under the Francoist Regime - from the Transnational Viewpoint -
Project/Area Number |
18K11774
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
萩尾 生 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 教授 (10508419)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バスク語 / 少数言語 / 通信教育 / 通信講座 / 遠隔教育 / 言語復権 / フランコ体制 / ディアスポラ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の実施状況報告書で説明したとおり、本研究の主題であるフランコ体制時の海外でのバスク語通信教育受講者とその関係者に対する聴き取り調査の可能性がいったん絶たれた。また、9月に予定していたスペイン・カタルーニャ自治州での国際会議における口頭報告も、パンデミックの影響でキャンセルせざるをえなくなった。このため、2022年度には、それまで延期していた研究計画を再度変更せざるを得なくなった。 具体的には、これまで収集してきた音声資料と文献資料の内容を別の観点から補強すべく、バスク自治州政府文書室と同州アライア村役場文書室において、関連行政文書のさらなる探索と、バスク語通信講座を開講した当事者の関係文書の確認を実施し、新たな知見を得ることができた。しかし、本研究の所期の目的を達成するには不十分であったと言わざるをえない。 上述した聴き取り調査が効果的に実施できるであろう機会が2025年に先送りとなったため、本研究の期間内にこれ以上の新たな知見が得られる可能性は低いと判断する。よって、これまでに得られた知見をもとに、限定的かつ暫定的な研究成果を次年度にまとめて公表する準備を行うものとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年7月に米国アイダホ州で開催される予定だった在外バスク系同胞コミュニティの催事が、パンデミックの影響でいったん2021年に延期された後、最終的には中止となり、次回の2025年まで開催されない判断が出されたため,2022年までに実施する予定だった聴き取り調査が実現できなくなったことが、研究の進捗が遅れた最大の理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに入手した音声資料と文献資料、ならびに関係者からの聴取内容から導き出される結論を、それがたとえ限定的で暫定的な内容であるにせよ、英文にて公表するための準備を行い、本研究に区切りをつける考えである。
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Causes of Carryover |
上述のとおり、米国で実施する予定だった聴き取り調査が、不可抗力により実施不可能となったことと、スペイン・カタルーニャ自治州での口頭報告がキャンセルとなったことにより、スペイン・バスク自治州での文献調査のみに予定を変更したためである。次年度は、本研究の最終年度として、得られた知見を英文にまとめて公表する準備を行うため、その英文校正に係る経費を中心に予算を充当する計画である。
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