2018 Fiscal Year Research-status Report
Case study of Chinese governments' opening-up policies in higher education
Project/Area Number |
18K11776
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
黒田 千晴 神戸大学, 国際教育総合センター, 准教授 (30432511)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 中国 / 高等教育 / 対外開放 / 国際化 / 事例研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、中国の高等教育における対外開放政策に関して、中国の文化・言語・教育など「知の対外発信」に関連する事項に焦点を当て、経済・文化・外交政策との関連を踏まえて検証し、実際の「国際高等教育」の場でどのように解釈され実践されているのか、中国及び関係国の高等教育機関を対象とした探索的事例研究を通して、その実態を明らかにすることを目的としている。更に一連の調査研究を通して、国際高等教育の領域における中国のプレゼンスの高まりが、関係国や地域の高等教育にどのようなインパクトを与えつつあるのか解明することを試みる。 2018年度は、当該研究課題の初年度であるため、年度の前半に当該研究課題に関連する中国政府の政策文書、統計資料並びに学術図書・論文等を収集し、これらの文献の検証を進めた。更に米国の海外研究協力者が、在外研究のため、タイのチュラロンコン大学に滞在することとなったため、海外研究協力者の都合に合わせて、当初2年目以降に予定していたタイ・ラオスでの現地調査を前倒しして2019年3月に実施した。タイでは5大学及びMinistry of Education, Office of the Higher Education Commission、ラオスでは1大学及びUNDP、Ministry of Education and Sportsを訪問し、関係者に対する聞き取り調査を実施した。今回の調査で得た研究成果の一部は、2019年6月コーネル大学にて開催される6th International Conference on Lao Studiesで発表する(採択済み)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度前半は、予定した通り当該研究課題に関連する中国政府の政策文書、統計資料並びに学術図書・論文等を収集し、これらの文献の検証を進めることが出来た。後半については、海外研究協力者の予定に合わせて、当初2年目以降に予定していたタイ・ラオスでの現地調査を進めることとなったが、海外研究協力者の全面的な協力を得て、両国の大学や教育省等での聞き取り調査を実施することが出来た。また調査で得た成果の一部を国際学会で発表することが決定している。これらのことから、本研究課題はおおむね順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度以降の研究の推進方策は以下の手順を予定している。まず、文献資料調査を継続して実施する。具体的には、中国中央政府・地方政府の政策文書・関連学術論文・中国・海外提携大学の関係資料・教育・外交関係の新聞記事などメディア文書の分析を進める。それと同時に、中国と関係国の教育機関との国際連携教育機関など、実際の高等教育或いは国際高等教育の場において、政策がどのように解釈されどのような文脈でいかに実践されているのか実態を調査するため、訪問調査・聞き取り調査を実施する。「新事実考察型の事例」として適切な調査事例を数例抽出し、連絡調整を行い、2019年度~2021年度前半にかけて調査を行う。同時にある程度まとまった研究成果が得られた時点で、関連学会等で研究発表を行いフィードバックを得て、研究計画の調整を行う。研究最終年度の4年目の後半には、研究成果の総括を行い、学会での研究発表や学術雑誌への論文の投稿などを通して研究成果を発信する予定である。
|
Causes of Carryover |
本研究課題の予算を用いて、国際学会の年次大会で研究成果の一部を発表する予定にしていたが、例年3月に開催される年次大会が、4月開催となったため次年度使用額が生じた。繰り越した使用額は、研究成果の一部を発表するための学会参加費として使用する予定である。
|
Research Products
(2 results)